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日本代表 3か月前

五輪メダル獲得へのポイントは抑えた。サッカーU-23日本代表がフランスに示した姿勢。防戦一方でも見えた光は【西部の目】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

とくに個で上回っていなくても…


 フランスは中盤をダイヤモンド型にした4-4-2。対する日本はフラット型の4-4-2で対峙した。

 2トップは藤尾翔太と三戸舜介。右に平河悠、左が斉藤光毅。ボランチは予選を戦った藤田と山本理仁。4バックは関根大輝、木村誠二、高井幸大、半田陸。GK小久保玲央ブライアン。予選のメンバーに三戸、斉藤の欧州組を加えた先発である。

 プレースタイルは予選時と変わらない。コンパクトな守備からのショートカウンターが主な狙いだ。

 プレスをはがす能力の高いCBを相手に制限をかけきれず、ベテランのCFアレクサンドル・ラカゼット、気鋭のオリーズを中心とした攻め込みに序盤から圧倒される。マークにはつけているが、一歩ずつずらされてフィニッシュへ持っていかれる。パス&ムーブの速さについていけていなかった。コンディションの問題はあるとしても、DFのスピード不足は本大会でも問題になるかもしれない。

 25分の先制点は相手のミスをついたものだ。GKからCBにつないだところを藤尾がすかさずプレス、こぼれ球を拾った三戸がシュートとみせて背後へ回り込んでいた藤田へラストパス。藤田がGKとの1対1を難なく決めている。

 力のある相手でも、こうしたミスはする。そこを狙っていけば、とくに個で上回っていなくてもグループで崩さなくても点はとれる。相手のエラーにつけ込み、自分たちは決定的なミスを犯さない。パリ五輪を勝ち抜くためのポイントだろう。

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