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海外サッカー 4か月前

“エンバペ中心”でチームに亀裂? フランス代表がユーロ2024で見た現実。正当化されないデシャンの決断【現地発コラム】

シリーズ:コラム text by 小川由紀子 photo by Getty Images

デシャン監督続投に75%がNO


【写真:Getty Images】



 長くキャプテンを務めたウーゴ・ロリスや、デシャンのチームの中核選手だったラファエル・ヴァランらが退くと、それまで何度かキャプテンを務めていたアントワーヌ・グリーズマンが新キャプテンか、と、本人を含む多くが予想していた中で、エンバペに腕章が渡された。

 しかし、もともとピッチ上でもバランサー的な枠割りが得意なグリーズマンの方がキャプテンには向いている。エンバペにしても、キャプテンとしてのリーダーシップなど考えずに思い切りプレーしていた方が存分に力を出せるだろう。そうした采配も含めて、大会後はデシャン監督の進退が問われている。

 レキップ紙が行った、「(現行の契約である)2026年のW杯までデシャン監督の続投を望むか?」というアンケートでは、75%が『No』と答えている。ただ、そこにあるのは、今回の結果により更迭、というより、
「十分にお疲れ様でした。でもそろそろ新しい血が入ったほうがいい」という思いだ。

 2012年のユーロの後、ローラン・ブランに代わって着任し、以降の12年間でW杯優勝(2018)、W杯決勝進出(2022)、ユーロ決勝進出(2016)、ネーションズリーグ優勝と、デシャン監督はフランス代表に華々しい結果をもたらした。

 フランスサッカー連盟のディアロ会長は、「準決勝進出というミッションは果たした。彼の契約を見直さなくてはならない理由はない」と、解任の意図はないことを明かしているが、果たしてどうなるか。次期代表監督になるであろうジネディーヌ・ジダンも、自分の順番がくるのを待っている。

 次の代表戦は、9月6日に行われるネイションズリーグのイタリア戦だ。

 この試合の宣伝ポスターにはなぜかエンバペは登場していない。会場が古巣PSGの本拠地パルク・デ・プランスであるのとなにか関係があるのだろうか? ともあれ、この試合で誰が指揮をとるかも含め、レ・ブルーはここで、この夏のネガティブなイメージを払拭するパフォーマンスが求められる。

(文:小川由紀子【フランス】)

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【了】

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