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Jリーグ 1か月前

ネルシーニョからの脱却。柏レイソルは“置いてきぼり”から変化している。待ち受ける未来は明るいのか…【戦術分析コラム】

シリーズ:戦術分析コラム text by らいかーると photo by Getty Images

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 昨年5月、ネルシーニョから柏レイソルの監督職を引き継いだ井原正巳は、17位でなんとか残留させたが、今季も13位と状況を大きく好転させることはできていない。それでも、前任者とは異なり戦いの幅は広がっている。今回は変化を見せつつある柏レイソルの試みに焦点を当てる。(文:らいかーると)

著者プロフィール:らいかーると

1982年、浦和出身。とあるサッカーチームの監督。サッカー戦術分析ブログ「サッカーの面白い戦術分析を心がけます」主宰。海外サッカー、Jリーグ、日本代表戦など幅広い試合を取り上げ、ユニークな語り口で試合を分析する人気ブロガー。著書に『アナリシス・アイ ~サッカーの面白い戦術分析の方法、教えます~』『森保JAPAN戦術レポート 大国撃破へのシナリオとベスト8の壁に挑んだ記録』がある。


変革の失敗と柏レイソルの迷走

柏レイソル
【写真:Getty Images】

 柏レイソルといえば、下部組織の優秀さが指導者界隈では有名である。なぜ柏レイソルの下部組織が優秀とされてきたかというと、ジョゼップ・グアルディオラ以前から【4-3-3】を基調としたボールを保持するスタイルによって、その哲学を示し続けてきたからだろう。

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 ボールが中盤を飛び越えることが当たり前の時代から、ゴールキーパーから繋ぐスタイルを孤独に志向してきたことで多くのリスペクトを集めることとなった。柏レイソルの下部組織が示し続けてきたゴールキックから繋ぐスタイルは、現代サッカーの標準となっていることは明白だろう。

 残念ながら下部組織からのボトムアップでトップチームへの変革チャレンジには失敗したことで、柏レイソルトップチームの迷走は始まってしまった。困ったときのネルシーニョでJ2から昇格したものの、現代サッカーから置いてきぼり感の強かった柏レイソルは、昨年の井原正巳監督就任をきっかけとし、段々と変化を遂げている。

 その成果として昨季の天皇杯の準優勝は、降格寸前のチームに自信を与えるものとなっただろう。大学やレンタル移籍を経由し、気がつけば下部組織出身の選手は増えていくなかでの柏レイソルの現在地について今回は考えていきたい。

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