「すごく感謝」アジア杯でまさかの退場…
「アジアカップでは不完全燃焼で終わっている分、リベンジの場となるチャンスをいただけて、みんなにすごく感謝しなきゃいけないですし、その意味でもセレッソ大阪を代表して…」
ここで脇坂が背後を通過する。西尾は「ありがとうございます」と言葉を返し、コメントを再開させた。
「…活躍した姿を、しっかり見せないといけないと思っています」
カタールで開催されたAFC・U-23アジアカップを、不完全燃焼で終えた理由は西尾自身にあった。4月16日のU-23中国代表とのグループリーグ初戦。開始わずか17分で一発退場を命じられた。
ボールとまったく関係のない位置で、相手選手に背後から詰め寄られた西尾が振り向きざまに反応。その際に西尾の左ひじが、相手の顔面付近に入ってしまった。試合はそのまま流されたものの、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の介入もあって、判定を変えた主審からレッドカードが提示された。
アジアサッカー連盟(AFC)からは、3試合の出場停止処分が科された。10人で戦った中国戦で辛勝した日本は、副キャプテンの西尾を欠いた陣容で勝ち進み、準決勝でU-23イラク代表を破った瞬間にパリ五輪への切符を獲得。決勝ではU-23ウズベキスタン代表を破り、4大会ぶりの優勝も飾っている。
しかし、出場停止から明けた西尾は準決勝の後半アディショナルタイムにピッチに立っただけで、決勝では最後まで出番が訪れなかった。チームの力にまったくなれないまま終えた大会を西尾はこう振り返る。