FW:キリアン・エムバぺ(フランス代表)
生年月日:1998年12月20日(25歳)
所属クラブ:レアル・マドリード(スペイン)
ユーロ成績:5試合1ゴール1アシスト
怪物FWキリアン・エムバぺは、フランス代表とともに準決勝で姿を消した。
エムバぺは今大会5試合に出場。その全てで先発に名を連ね、活躍するために必要な時間は十分に与えられていたはずだが、不完全燃焼の1ゴール1アシストという結果に。唯一のゴールはPKから生まれたものであり、彼ほどの実力者がオープンプレーからゴールを奪えなかったことは、大会前の予想を大きく裏切る展開だったと言える。
フランス代表は、チームとして攻撃が停滞気味であったことは言うまでもない。だがチームが不調であっても、「個」で相手守備陣を破壊できるのがエムバぺという存在であったはずだ。実際にFIFAワールドカップ・カタール大会決勝では、試合後半・延長戦で3ゴールを奪い、アルゼンチン代表をたった一人で追い詰めた。
しかし、ユーロ2024では大きなインパクトを残せず。このような結果になってしまった要因には、エムバぺに起こったアクシデントが少なからず影響しているはずだ。同選手はグループリーグ初戦のオーストリア代表戦で鼻を負傷。これにより、その後の試合では顔面を保護するためのマスクを着用することが強いられた。
ポルトガル代表との準々決勝をPK戦で制した後、インタビューに応えたディディエ・デシャン監督は「彼(エムバぺ)は疲れていた」とし、続けて「(大会前の)背中の故障や鼻の外傷など、あらゆることが起きている。彼は最高のコンディションとは言えないが、努力はしている」(『EURO SPORT』)、疲労と怪我がエースのパフォーマンスに影響を与えていることを話している。
大一番となった準決勝スペイン代表で今大会初アシストを披露したエムバぺだったが、主役の座はラ・ロハの神童ラミン・ヤマルに奪われる格好となった。2-1でフランス代表は敗れ、エムバぺを始めとする攻撃陣は母国メディアに批判される形に。大会で最も注目されていた存在が、まさかの幕切れとなった。