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Jリーグ 4か月前

「みんなすごくうまい。でも…」アルビレックス新潟、小野裕二はまだ「自分を理解してもらっていない」。無得点の苦悩【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

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明治安田J1リーグ第23節、FC東京対アルビレックス新潟が13日に行われ、2-0でホームチームが勝利した。新潟はこれで公式戦3連敗。降格圏との差もわずかと厳しい状況にある。そんなチームの中で、今季から加入した小野裕二もここまで無得点と苦しんでいる。本人も危機感を抱えながら、苦悩を語っている。(取材・文:元川悦子)

著者プロフィール:元川悦子

1967年、長野県生まれ。94年からサッカー取材に携わり、ワールドカップは94年アメリカ大会から2014年ブラジル大会まで6回連続で現地に赴いた。「足で稼ぐ取材」がモットーで、日本代表は練習からコンスタントに追っている。著書に『U-22』(小学館)、『黄金世代』(スキージャーナル)、「いじらない育て方 親とコーチが語る遠藤保仁」(NHK出版)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)などがある。

ショッキングな敗戦から立ち直りたかったが…

アルビレックス新潟
【写真:Getty Images】

 松橋力蔵監督体制2年目の2023年に6シーズンぶりのJ1復帰を果たし、18チーム中10位という好成績を残したアルビレックス新潟。最高峰リーグ2年目の今季は「てっぺんを取る」と指揮官も宣言。高度なボール支配力をベースに連動性・流動性のある攻めで勝ち切るスタイルをより突き詰めようと、精力的なトライを続けてきた。

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 序盤は白星先行のスタートだったが、新井直人のサンフレッチェ広島移籍やケガ人の問題などが響き、5月に入ってリーグ6試合中1勝1分4敗と勝てなくなった。それでも6月は無敗。立て直しに成功したかと思われたが、7月6日のサガン鳥栖戦で3−4と派手な敗戦。続く10日の天皇杯3回戦でJ2トップを走るV・ファーレン長崎に1−6というショッキングな大敗を喫し、チーム全体に緊張感が走った。

 となれば、3連戦ラストとなる13日のFC東京戦は是が非でも白星がほしいところ。この試合直前に松木玖生の海外移籍が発表され、FC東京関係者・サポーターが「玖生を白星で送り出そう」と大いに士気を高めたが、新潟としてはお付き合いするわけにはいかない。東京・国立競技場に集結した1万3000人ものアルビサポーターのためにも、結果が強く求められた。

 ところが、彼らは開始早々にあっさりと失点してしまう。右サイドバック(SB)藤原奏哉が高い位置を取った背後を相手に突かれ、ドリブル突破力に秀でた遠藤渓太に持ち込まれてゴールを決められるという手痛い失点を喫したのだ。

「最初の失点は非常に軽く、ノーガードでやられてしまった。もっと強度の高い守備ができないとダメだなと感じました」と指揮官は横浜F・マリノスユース時代の教え子の恩返し弾に複雑な感情を覚えた様子だった。

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