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【写真:Getty Images】
FW:ハリー・ケイン(バイエルン・ミュンヘン/ドイツ)
生年月日:1993年6月28日
ユーロ2024成績:6試合3得点0アシスト
イングランド代表の主将でエースのハリー・ケインのパフォーマンスが上がってこない。2023/24シーズン終盤に怪我をした影響なのか、全体的に身体が重く、フリーで決定機を外す場面や、ボックス内での動き直しの少なさからチャンスをつぶす場面が目立つ。
それでも我慢してガレス・サウスゲート監督が起用してきたのはケインへの信用の高さとコンディション面での期待だろう。これまでどの大会でもイングランド代表指揮官はチームのピークを最後の方に持って行っており、今大会も同様だ。ようやく準々決勝で[3-4-2-1]という最適解を見つけ、選手各々の能力が発揮しやすい布陣を組むようになった。
しかし、ケイン自身のコンディションはそこまで上がっていない。こうした背景からサウスゲート監督はついに覚悟を決めて、決勝トーナメント以降初めて90分以内にケインを下げる決断を下した。イングランド代表の主将よりも、より流動的で万能なワトキンスは後半アディショナルタイムに決勝ゴールという最高の解答をみせた。
ワトキンスの他にもパワープレーやPK戦で有効なオプションとなるアイヴァン・トニーも控えており、イングランド代表のストライカーの選手層は充実している。サウスゲート監督の中にケインを下げるオプションが生まれたことで、チーム全体の攻撃力はパワーアップしたと言えるだろう。決勝でも彼ら3人の使い分けがカギとなるかもしれない。