ウイングバック
【写真:Getty Images】
右WB:ブカヨ・サカ(アーセナル)
生年月日:2001年9月5日
ユーロ2024成績:6試合1得点0アシスト
タレントがひしめく今大会のイングランド代表のアタッカー陣の中で最も好調なのがブカヨ・サカだ。特にスイス代表との準々決勝では彼の縦への突破から何度もチャンスを作り、試合終盤には起死回生の同点ゴールを叩き込んでみせた。
スイス代表との準々決勝からイングランド代表は[3-4-2-1]のシステムへと変更しており、この布陣で最も大きな負担を担っているのはサカだろう。攻撃時はウイングとして高い位置から仕掛け、守備時は最終ラインにまで戻り、右サイドバックのポジションで相手チームのドリブルやクロスに対応している。
この負担の多さは気になるところだが、準決勝終了時点では疲労の色が見えない。今大会開幕当初はコール・パーマーを起用する声が大きかったが、右サイドに張って仕掛けることができるタイプはサカしかおらず、攻守における貢献度の高さからこうした声を実力で黙らせた。数字こそ残せていないが、今大会のベストプレイヤーの一人であることは間違いない。
【写真:Getty Images】
左WB:キーラン・トリッピアー(ニューカッスル)
生年月日:1990年9月19日
ユーロ2024成績:6試合0得点0アシスト
キーラン・トリッピアーの左サイドバック、もしくは左ウイングバック起用は今大会を通して疑問符が投げられている。クロスの選択肢が基本的に右足しかないため、ファイナルサードでの脅威は左利きのSBと比較すると半減する。
特に現在のイングランド代表はアンソニー・ゴードンのような、左の大外に張って仕掛けるタイプの選手が起用されておらず、トリッピアーが左の大外の役割を担っている。突破から何度もチャンスを演出している右サイドのブカヨ・サカと比較をすると攻撃力の低下は否めず、なかなかチャンスクリエイトで貢献することができていない。
それでもチームとして、準々決勝にて本来のレギュラー候補であるルーク・ショーが復帰を果たしたことは朗報だ。まだコンディションが万全ではないため、ショーの起用は途中からになるだろうが、トリッピアーへの負担が減ったことは大きい。おそらくスペイン代表との決勝もトリッピアーが先発、ショーが途中からという起用法になるだろう。
しかし、相手チームの右ウイングであるラミン・ヤマルは絶好調で、彼を封じられるかどうかが決勝の結果に直結する可能性が高いため、ショー、トリッピアーに次ぐ序列のエズリ・コンサをサプライズで先発起用するかもしれない。このストッパーは2022/23シーズンから2シーズン連続で欧州5大リーグ1位の地上戦勝率(約80%と約78%)を誇っており、スペインの韋駄天にマッチアップさせる可能性もゼロではないだろう。