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【写真:Getty Images】
右WG:ラミン・ヤマル(バルセロナ)
生年月日:2007年7月13日
ユーロ2024成績:6試合1ゴール3アシスト
ラミン・ヤマルには「神童」という言葉がよく似合う。22/23シーズンにバルセロナ史上最年少となる15歳9か月でのトップチーム出場を記録すると、昨季はリーグ戦37試合に出場し5ゴール8アシストとセンセーショナルな活躍を見せ続けた。スペイン代表でも、2023年9月に代表初出場を果たし、クラブ、代表の両方で様々な最年少記録を更新している。
16歳という部分がよくフォーカスされがちだが、すでに右WGとして世界で5本の指に入るほどの実力も兼ね備えている。軽やかに相手をかわす圧巻のドリブルはもちろん、ペナルティエリア角からのセンタリングも彼の得意なプレーのひとつで、グループステージ初戦のクロアチア戦ではそのピンポイントクロスで得点へと結びつけた。シュートも威力、精度ともに高品質で、準決勝フランス戦でみせたロングシュートは世界中に衝撃を与えた。
魔法の左足で世界中のファンに夢を見せるそのプレースタイルは、同じく若くしてバルセロナで頭角を現し、世界最高の選手となったリオネル・メッシと重なる。さらに、ヤマルは180cmと上背もあるため、将来メッシを越える選手になる可能性さえある。7月13日に誕生日を迎えたヤマルの17歳最初の試合となるユーロ決勝は、ヤマル伝説の1ページに確かに刻まれる試合となるに違いない。
【写真:Getty Images】
CF:アルバロ・モラタ(アトレティコ・マドリード)
生年月日:1992年10月23日
ユーロ2024成績:6試合1ゴール1アシスト
アルバロ・モラタは、ユーロ2024に招集されているスペイン代表の中で最多の79試合に出場しており、ラミン・ヤマルやニコ・ウィリアムズなど、代表経験が浅い選手が多い攻撃陣の柱となっている。
レアル・マドリード出身のモラタは、ユベントス、アトレティコ・マドリード、チェルシーとこれまで4つのビッグクラブを渡り歩き、そのすべてで得点を量産している。空中戦や一瞬の抜け出しといったストライカーらしい能力にも長けているが、中盤に降りてきてボール回しに参加するトップ下のような役割も担うことも多く、万能型のCFといえるだろう。体を張ったポストプレーも目立ち、モラタが前線で粘ったことでピンチを食い止めたり、チャンスが拡大したりする場面は今大会中何度も見られた。
今大会はキャプテンとしての役割もある。スペイン紙『マルカ』によると、ルイス・デ・ラ・フエンテ監督は「最高のキャプテン」「彼はスペインサッカーの歴史に残るだろう」とチームの主将に全幅の信頼を置いている。準決勝終了後、ピッチに乱入した観客を取り押さえようとした警備員と衝突し軽いけがを負うアクシデントもあったが、決勝には間に合うようだ。無敵艦隊の長は、スペインを2012年大会以来の優勝に導くことが出来るだろうか。
【写真:Getty Images】
左WG:ニコ・ウィリアムズ(アスレティック・ビルバオ)
生年月日:2002年7月12日
ユーロ2024成績:5試合1ゴール1アシスト
現在のスペインは両サイドからの攻撃が大きな武器のひとつとなっているが、その両翼を担うのがラミン・ヤマルと、このニコ・ウィリアムズだ。
アスレティック・ビルバオのカンテラ出身のニコ・ウィリアムズは、21/22シーズンに頭角を現し、2022年にはFIFAワールドカップ・カタール大会のメンバーに20歳の若さで選出された。昨季は一気に頭角を現し、リーグ最多タイとなる14アシストを記録。兄のイニャキ・ウィリアムズと強力なホットラインを形成し、コパ・デル・レイ優勝の立役者の1人となっている。
同選手の最大の特徴は両足のキック精度だ。その精度は両利きとも評されるほどで、右足のカットインだけでなく縦にも仕掛けられるため、相手にとっては迂闊に距離を詰めることが出来ない。ウィンガー屈指の俊足でもあり、緩急をつけたドリブルはそう簡単には止められない。今大会は左SBのマルク・ククレジャとの連係も見事で、左サイドから何度もビックチャンスを創出している
22歳のニコ・ウィリアムズと17歳のヤマルについて、ルイス・デ・ラ・フエンテ監督は「神の杖に触れた選手」と絶賛。この2人が担う両翼は、まさに次世代スペインの象徴ともいえる。ユーロ決勝は、生まれ変わったスペインサッカーを体現する試合となるだろう。