ミッドフィルダー
【写真:Getty Images】
DMF:ロドリ(マンチェスター・シティ/イングランド)
生年月日:1996年6月22日
ユーロ2024成績:5試合1ゴール0アシスト
マンチェスター・シティ所属のロドリは、まさしく「負けない男」である。同選手はユーロ予選のスコットランド戦で敗れて以降、クラブと代表の両方で無敗を継続した。クラブ公式戦の無敗は「74試合」を記録し、これはプレミアリーグ史上最多の記録だ。その後クラブ記録は途切れたものの、代表では依然として15試合連続無敗を記録している。
そして、その無敗記録は間違いなくロドリの存在があってこそだ。昨季のパス成功率は驚異の92%。本来相手に阻止されやすいロングボールの成功率も8割を越えており、相手の嫌なところへいとも簡単にパスを通す。決定的なパスを生み出す創造性も兼ね備え、昨季は9アシストを記録した。
さらに厄介なのがミドルレンジから繰り出される「ロドリ砲」で、何度もチームを勝利に導いてきた。一瞬の隙を与えただけで高精度のミドルシュートが飛んでくるため、相手はせっかく築いたブロックを崩さざるを得ない。今大会でもジョージア戦で試合を振り出しに戻すミドルシュートを決めている。
ユーロ決勝の相手はロドリと同じくプレミアリーグに所属している選手が大半を占めるイングランド。手の内を知り尽くしたロドリは、フットボールの母国の前に悠然と立ちふさがる。最強のアンカーを携えて、スペインの「不敗神話」は継続となるだろうか。
【写真:Getty Images】
MF:ファビアン・ルイス(パリ・サンジェルマン/フランス)
生年月日:1996年4月3日
ユーロ2024成績:5試合2ゴール2アシスト
レアル・ベティスで台頭したファビアン・ルイスは、ナポリ時代の2019年に代表初招集を果たすと、ユーロ2021にも出場。その後代表から遠ざかっていたが、昨年久々の代表復帰を果たし、現在はチームに欠かせない選手の1人となっている。
ファビアン・ルイスは足元の技術に長けたボックストゥボックス型の選手だ。プレス回避に優れており、ビルドアップの場面ではボールを動かし、流れるような攻撃を促進させる。189cmと長身なため、相手に当たり負けせずボールキープしてくれる点も、彼が重宝される理由のひとつだ。守備時にもその体格は活かされ、同じく長身のロドリと組むダブルボランチは、相手にとって簡単には崩せない要塞となっている。
そして、今大会のファビアン・ルイスは絶好調だ。初戦のクロアチア戦でアシストを記録すると、その直後にはペナルティエリアの密集地帯を繊細なタッチでかわしゴールを記録。ジョージア戦でも1ゴール1アシストをマークしている。フランス戦では不用意なボールロストが目立ったが、決勝の活躍に期待がかかる。
【写真:Getty Images】
MF:ダニ・オルモ(RBライプツィヒ/ドイツ)
生年月日:1998年5月7日
ユーロ2024成績:5試合3ゴール2アシスト
ダニ・オルモは今大会のラッキーボーイ的存在だ。ユーロ開幕当初はスーパーサブの役割に徹していたが、準々決勝ドイツ戦になると状況は一変。試合開始早々に負傷交代でピッチを去ったペドリの代役として出場し、1ゴール1アシストの大活躍で120分に及ぶ死闘を制する立役者となった。
ライプツィヒでの直近3シーズンは怪我が相次ぎ、あまり試合に出られないシーズンが続いたものの、その能力は本物だ。両ウィングと攻撃的MFをそつなくこなす同選手は、フィニッシャーとしても、チャンスメイカーとしても輝ける。簡単に奪われないドリブルや正確なパスは、さすがバルセロナのカンテラ出身といったところだ。ドイツ戦の先制点のように、空いたスペースに飛び出すポジショニングの良さも光るなど攻撃において万能な選手で、クラブの契約解除条項の期限が切れるユーロ大会後にはビッククラブ間での争奪戦も予想されている。
準決勝フランス戦でも見事なボールコントロールからこの試合の決勝点を叩き込んでおり、これで3試合連続得点となった。ユーロで4試合連続得点となれば、2004年大会のミラン・バロシュ(チェコ)以来の快挙。ユーロ決勝でもチームを勝利に導く得点を挙げ、歴史に名を残す活躍を期待したい。