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Jリーグ 4か月前

米田隼也は「あの時とは違う」。J2首位V・ファーレン長崎に不可欠な「伝家の宝刀」。晴らしたい6年前の悔しさとは【コラム】

シリーズ:コラム text by 椎葉洋平 photo by Getty Images

関わり方を変えている。米田隼也の巧みな判断



 その後もチーム全体で高い集中力を発揮し続け、無失点で試合終了の笛。首位を守るとともに、クラブ歴代5位となる1万4424人の観客による「勝利のカンターレ」がスタジアムを包み込んだ。

 熊本戦に限らず、米田を起点に左サイドから相手を崩すシーンは今季よく見られる光景。左サイドでコンビを組む笠柳翼や松澤はともに巧みなドリブルが持ち味で時間を作れる選手でありつつも、細部の特長に合わせて関わり方を変えている。

 笠柳の場合はより積極的に関与し、連動してワンタッチのパスをつなぎながら前進していく。これは、笠柳はドリブラーでありながら周囲を使うのが上手く、コンビネーションでの崩しを得意とするため。一方で松澤の場合はサポートに徹することが多く、あえてスペースを消さない位置取りが多い。これは、松澤はよりスピードと突破力に優れ、1対1の局面さえ作ればチャンスになるため。

 味方の個性を生かすプレーにみられるように、米田の判断力は長崎になくてはならない強み。また判断力に限らず、J2ではボールを持った際の1対1でもほぼ上回れている。

「(味方が)サポートにさえ来てくれれば何でもできるし、なくても自分で(相手を)はがせる。それが自分の強み」と事もなげに言うが、年々向上する守備力を含め総合力の高いSBは希少な存在だ。

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