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Jリーグ 2か月前

米田隼也は「あの時とは違う」。J2首位V・ファーレン長崎に不可欠な「伝家の宝刀」。晴らしたい6年前の悔しさとは【コラム】

シリーズ:コラム text by 椎葉洋平 photo by Getty Images

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 明治安田J2リーグで首位を走るV・ファーレン長崎は、ロアッソ熊本をホームに迎えた第23節に2-0で勝利した。この試合の2点目をアシストしたのは、今季のリーグ戦全試合でスタメン出場している左SBの米田隼也。長崎での7年間で、再びJ1で戦うための力を着々と蓄えてきた。(取材・文:椎葉洋平)


「あれは伝家の宝刀」光った米田隼也の武器

V・ファーレン長崎DF米田隼也
【写真:Getty Images】

 ロアッソ熊本戦は、クラブが「満員プロジェクト」と題した一戦だった。試合前には歴史に名を刻んできたOB選手たちが出場するレジェンドマッチが開催され、クラブの将来を担うV・ファーレン長崎U-15を相手に4得点。OBが弾みをつけると、首位を走るチームはOBたちにチームの成長を見せつけた。

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 序盤こそ熊本にボールを握られたものの16分にカウンターから先制点を挙げ、さらに22分には追加点の奪取に成功。この場面でエジガル・ジュニオからパスを受け、相手を引き付けつつフリーで待つマルコス・ギリェルメの足元にボールを送ったのは、左SBながらペナルティエリア内に侵入していた米田隼也だった。

 試合前に「受けに回るのではなく圧倒していきたい」と語っていたとおり、必要以上に受けに回らず、長崎の強みを発揮した2得点だった。

 長崎が前半のうちに2点をリードしたこともあり、時間の経過とともに巻き返しを図る熊本がボールを保持する展開に。そのため長崎の攻撃は前線の選手たちで完結させるカウンターが中心となり、そのうちの1つは米田が60分に生み出した。

 右サイドからパスを回して熊本のプレスをかわし、米田にボールが渡った場面。前方からくる相手が寄せ切る前に、右足で前方へフィードを送った。リーグ戦では第13節以来、約2か月ぶりのスタメン出場となった左WG松澤海斗が走り込んだスペースに、正確なボールが届いた。

 このワンプレーで、前向きで守る熊本の守備をひっくり返すことに成功。松澤はスピードに乗ると、得意の切り返しから中央へパスを送る。マテウス・ジェズスが上手く右足に当てられず得点とはならなかったが、3点目への大きなチャンスだった。

 左WGへのフィードについて、試合後「あれは伝家の宝刀」と語り、松澤との間で声をかけあってお互いにイメージしているものだと明かした。

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