「また頑張ろう。それだけかな…」
「それをいい意味でとらえて、自信をもって常日頃からやっていきたい。大学でもしっかりと意を高くもっていれば本当に成長できるとあらためて感じたし、その意味でも今回の経験を無駄にしたくない。この経験ができたのも筑波大だけだし、これをチームにもち帰って、みんなで競争し合って高めていきたい」
副キャプテンを務める角は、筑波大に関わるすべての人間の財産にしたいと前を見すえた。
「天皇杯はJ1のチームと戦える貴重な大会だし、こうして町田や柏と真剣勝負ができた今大会は自分だけじゃなくて、筑波大にとってもかけがえのない財産になる。これを今後の筑波大に生かしていって、いつかは天皇杯で優勝ができるくらいに強くなった筑波大を見たい。後輩たちに期待しています」
そして、今大会の指揮を柏のアカデミー出身で、4年生ながら指導者の道を歩み始めている戸田伊吹ヘッドコーチに一任していた小井土監督は、チームにかける言葉を問う質問にこんな言葉を返している。
「お疲れさまということと、あとはまた頑張ろう。それだけかな、と思っています」
さらには筑波大のOBでもある柏の井原正巳監督も、後輩たちへ熱いエールを送った。
「本当に勇敢に挑んできた。すごく力のあるチームであり、後輩たちを称えたいとと思う」
運命に導かれた2年ぶりの対決は柏に軍配があがった。しかし、天皇杯での戦いを終えた筑波大は息つく間もなく、120分間の激闘で募らせたさまざまな思いを力に変えて次なる戦いに挑む。勝ち点3ポイント差の2位で首位・明治大を追う関東大学サッカーリーグ1部の次節、日本大学との一戦が中2日の13日に待っている。
(取材・文:藤江直人)