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海外サッカー 4か月前

“史上最弱”のイタリア代表に未来はあるのか。セリエAで選手が育たない問題、かつての名将が提言する再生計画とは【コラム】

シリーズ:コラム text by 佐藤徳和 photo by Getty Images

スパレッティに賭けるしかない?



 イタリアは若手に優秀な人材が不足しているわけではない。2023 FIFA U20ワールドカップでは準優勝、UEFA U19欧州選手権2023とUEFA U17欧州選手権2024では、優勝している。A代表の不振を受けてFIGCが育成世代の強化を促進した成果だ。

 しかし、優秀な若手が育っても、トップチームで起用されなければ意味がない。2023 U-20W杯で得点王に輝いたチェーザレ・カサデイは、トップチームで出番がないままインテルから2022年8月にチェルシーに売り出されてしまっていた。イタリアには、15歳でミランのトップチームでデビューを飾った現在16歳のFWフランチェスコ・カマルダが所属するが、放出されることなく、手塩にかけて育てられなければならない。

 スパレッティは敗退が決まった翌日、続投を明言した。FIGCのガブリエーレ・グラビーナ会長も、11月4日に会長選を控えるが、職に留まることを明言した。『ガッゼッタ』は、監督問題について、アンケートを実施している。8135件の回答で、退任を望む声は78.2%、続投は21.8%と、多くのサポーターが、スパレッティの退任を願っていることがわかった。

 後任には、マッシミリアーノ・アッレグリやクラウディオ・ラニエリを推す声が挙がっている。双方は、経験の面では申し分ない。しかし、アッレグリは、守備の構築には定評があるが、攻撃に関しては、形を作ることができず、ユベントスでは、サポーターから支持を受けることができなかった。アッレグリでは、世界的な流れから遅れる守備的なサッカーに終始することだろう。

 レスター・シティを指揮して奇跡のプレミアリーグ制覇を成し遂げたラニエリは、72歳と高齢な上、すでにサッカー界から身を引いている。それに、2014年にギリシャ代表を指揮して、1分3敗と成績不振により解任されていたことは無視できない事実だ。

 今のこところ、スパレッティの後継となる目ぼしい人材はいないが、何よりも、次の公式戦が、2ヶ月後に迫っていることをまず第一に考えなければならない。9月6日に敵地のパルク・デ・プランスで、強敵フランスとのUEFAネーションズリーグ初戦が控えている。また、1からチームを再築し、ゼロから出発する時間はない。ここは、スパレッティに賭けるしかないというのが、現実的な見方だろう。2026年W杯の出場権獲得を逃すようなことになれば、それはイタリアのサッカーの終わりを意味する。3度目の失敗は許されない。

(文:佐藤徳和)

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【了】

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