フットボールチャンネル

海外サッカー 4か月前

“史上最弱”のイタリア代表に未来はあるのか。セリエAで選手が育たない問題、かつての名将が提言する再生計画とは【コラム】

シリーズ:コラム text by 佐藤徳和 photo by Getty Images

スパレッティは「選手に混乱をもたらした」

イタリア代表を率いるルチアーノ・スパレッティ監督
【写真:Getty Images】



「自信過剰だった。スペインとの対戦では、彼は、代表の監督ではなく、クラブの監督としてチームを指揮しているように感じた。つまり、彼は『我々は自分たちのサッカーをやる。どちらが優れているか見てみようじゃないか』と言って、相手の存在を考えずに、ピッチに選手を送り出したように感じた。この大会で最も強力な両ウィングを擁す相手に対し、4バックを採用した。そして、我々はどちらが優れているチームかを目の当たりにしたのだ」。

 さらに、「スパレッティは、選手に混乱をもたらした。プレーメーカーは、ジョルジーニョとニコロ・ファジョーリが務めたが、どちらも、スパレッティが指揮したナポリのスタニスラフ・ロボツカではなかった。スイスのグラニト・ジャカと対峙したとき、ファジョーリはいいようにやられ、マークしに行くこともなかった」と、優勝候補の一角であるスペイン代表に対して真っ向勝負を挑もうとしたスタイルが誤りだったと指摘し、格上の相手に対し戦略がなかったと厳しく追求した。

 スパッレッティは、敗退後、「選手たちは疲れ、コンディションも良くなかった」と嘆いていた。「それは受け入れられない話だ。イタリア代表に、チームとしての戦いは見られなかった。代表監督の最初の仕事は、チームに戦う精神を植え付けることだ。チームメートを助けるために、短い距離を走ることは、必要不可欠なこと。そういう気持ちのこもったダッシュをしているイタリア代表の選手は極めて少なかった」と無気力で走り負けていたチームの戦いぶりにも、辛辣な意見を述べた。

 前回大会のユーロ2020で53年ぶり2度目の欧州の頂点に返り咲いたイタリアだが、4度目の世界一に輝いた2006年のW杯以降、同舞台では、低迷が続く。2010、2014大会は、いずれもグループステージ敗退。2018、2022大会は、本大会に進むことすらできなかった。恒常的な問題を抱え、抜本的な解決には至っていない。問題は、セリエAにおけるイタリア人プレーヤーの数だ。

1 2 3 4

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!