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Jリーグ 2か月前

「小林祐介が象徴的だった」なぜジェフ千葉はFC東京を撃破できたのか? 呉屋大翔がかけた思い「生き残るには…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 石田達也 photo by Getty Images

「小林祐介が象徴的だったと思う」


 投入直後からハードワークを続け、最後まで高いパフォーマンスを見せた呉屋は、ここまで公式戦15試合に出場し2得点。ピッチに立つのは6月12日の天皇杯2回戦中京大学戦以来。また、得点については5月6日のJ2第14節横浜FC戦を最後に約2ヶ月間も遠ざかっていた。

「自分が生き残っていくには結果を出すしかない。その意味ではきついタイミングもありましたが、ゴールを取ることでどうにかしようと思っていました。結果を出せたことは良かったと思っています」

 試合終了を告げる笛が刻々と迫る中で、FC東京は186㎝のセンターバックの岡哲平を前線に上げパワープレーに出るも、千葉の選手たちは一丸となって体を投げ出し最後まで集中を切らさず、この激闘に終止符を打った。

 攻守両面で前へ前へと向かうプレーと強度、そして質。それがチームの根源をなすものだが、呉屋は「みんなハードワークをしていました。相手は自分たちのプレスを嫌がっていましたし、それを続けたことが良かった」と勝利を呼び込んだ理由を話した。

 そして、小林監督は「選手の中には120分のゲームを経験したことがない選手も多くいたと思います。(小林)祐介が象徴的だったと思うのですが、足をつっても、そこから何回もボールを刈り取って、さらにボールを前に届けるチャレンジをし続けたこと。そういうプレーができたことも黄色いユニフォームを着て声援を送り続けてくれた皆さんのおかげだと思います。もっと閑散としたスタジアムであれば、選手たちのあのパワーは最後まで続かなかったと思いますし、今日の勝利というのは間違いなく足を運んでくださったサポーターの皆さんのおかげです」と、選手の奮闘と平日のナイターに足を運び最後の最後まで背中を後押しし続けてくれた7000人以上のサポーターへ感謝の言葉を口にした。

 最後の1秒まで諦めず、全力でぶつかる矢印をチーム全員で表現。ここまで築き上げてきた自分たちのスタイルを信じた中での勝利となった。チームにとっても呉屋にとっても、この試合がリーグ後半戦に向けての大きなエネルギーになったことはたしかだ。

(取材・文:石田達也)

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