劇的な逆転劇の裏側「パスが来ると思っていた」
ボールの主導権を握ったFC東京は荒木が積極的に中盤に顔を出す。さらに、中盤の東慶悟と原川力に流動的なポジションを取られリズムを作れないなか、小林監督は反撃への着火剤として小森飛絢と高木俊幸を投入。「フレッシュなメンバーを入れてもう一度エネルギーを出していきたいというところが一番です」と、その狙いを話す。
一進一退の攻防が続き、FC東京は中央をこじ開けにかかるが、中を締める千葉がボールを弾き出すと、74分にはカウンターアタックから日高大が最終ラインの背後に抜け出してキーパーと1対1になるもループ気味のシュートは左ポストに嫌われた。それでも79分、小森がワンフェイクを入れてラストパス。フリーの林は冷静に右足で同点弾を撃ち込んだ。
千葉加入後、公式戦初得点となった林は「飛絢が持った時に自分が空いたので、パスが来ると思っていました。上手く止めることができて、あのシュートは練習でも意識しているのでスムーズにいけたと思います」とコメント。
その後、82分に佐々木翔悟と呉屋大翔をピッチに送り出すも2点目を奪えず延長戦に突入。すると千葉に待望の勝ち越し弾が生まれた。延長戦開始直後の91分、小林祐介が大きく左サイドに展開し高木が仕掛けていく。クロスはブロックされたが、佐々木がシュートに持って行く。これは波多野にセーブされたものの、こぼれ球に素早く反応した呉屋が押し込み逆転に成功する。敵陣ゴールに向けて攻撃陣がフルスプリントした形が結果につながった。
この日のヒーローは「あまりボールは見えませんでしたが“こぼれて来てくれ”と思っていたので、何も考えずに反応しました。“こぼれて来い”としか思ってなかった(笑)」と得点場面を振り返った。