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Jリーグ 2か月前

最後は山田大記に託された。ジュビロ磐田の劇的同点弾が生まれた経緯「タスクはクリアになっていた」【コラム】

シリーズ:コラム text by 河治良幸 photo by Getty Images

ジュビロ磐田のストロングポイントは山田大記



 山田は「負けているものの、相手にボールを持たれてしまう時間帯もあると見ていたので。なるべくそこに制限をかけて、同数に持っていけるといいなというイメージで入りました」と振り返った。

 実際にペイショット、ジャーメイン、山田の3人に加えて、途中投入された左サイドの古川陽介、右のブルーノ・ジョゼを加えた5人が前からボールを追って、最終ラインを高く押し上げながら、中盤ではレオ・ゴメスが1人残って、幅広くカバーする。攻撃面もそうだが、多少リスクを負っても、相手に後ろで時間を使わせない、非常に意図の見える戦いぶりで、同点チャンスを手繰り寄せたのだ。

「その前のジャメ(ジャーメイン)のプレーも素晴らしいんですけど、最後まで諦めない姿勢を見せてくれた」と振り返った横内監督は、山田の存在について「スタートから出る時もそうですけど、途中から出る時も、チームのタスクを彼に託して出せるというのは我々にとってのストロングポイントです。短時間でも周囲とコミュニケーションを取りながら、(ゲームを)動かしながらやれるというのは本当に、チームの力になっている」と語る。

 指揮官から強い信頼を得る磐田のキャプテンは「サブはサブで、色んな難しさはあると思うんですけど、今日はゲーム見ながら、入った時にこういうふうに(やろう)というのをイメージできていたし、今日やった形は練習でもできていた。ピッチに立つ時のタスクはクリアになっていたので。迷いなくやれました」と語る。

 ゴール自体にはラッキーな要素が絡んだものの、アディショナルタイムを入れて9分という短い出場時間の中でも、勝ち点1を引き寄せたのは運だけではなかったのだ。

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