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なぜ3バックなのか?「シャビ・アロンソはレアル・ソシエダBで…」相手なき理想に戦術は存在しない【スペイン人指導者の分析】

シリーズ:スペイン人指導者の視点 text by 川原宏樹 photo by Getty Images

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 サッカー日本代表が6月に戦ったFIFAワールドカップ26アジア2次予選ラスト2試合を、欧州最高位の指導者ライセンスを持つアレックス・ラレアが分析した。2試合とも3バックの布陣を採用した日本代表の戦いを見たアレックスの目には、ゲームプランが不明瞭だと映ったようだ。(取材・文:川原宏樹)


【プロフィール】アレックス・ラレア

プロ選手としてカナダでプレーした後、指導者の道に進み、欧州最高位の指導者ライセンスUEFA PROを取得する。2020年からは元スペイン代表、元ヴィッセル神戸のダビド・ビジャが主宰するサッカースクール『DV7サッカーアカデミー』日本支部のディレクター・コーチを務める。

ダビド・ビジャとアレックス・ラレア
【写真:川原宏樹】

歴代最強のサッカー日本代表への提言。ゲームプランの立案「どう戦うか」

 日本代表はすでにFIFAワールドカップ26・アジア2次予選の突破を決めた状態だった。ミャンマー戦とシリア戦はそのような状況下で迎えることになり、日本代表にとっては消化試合となるところだった。

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 しかし、森保一監督は「9月から始まるアジア最終予選を戦っていくうえでいい準備につなげられるように、この6月シリーズの2戦を戦いたい」と思いを明かし、単なる消化試合で終わらせるのではなく、次のための準備と位置づけて選手らのモチベーションを高めた。

 UEFA-PROライセンス保持者のアレックス・ラレアは、この状況を受けて監督が行うべきことについて見解を述べた。

「正直なところ、ミャンマーにしてもシリアにしてもそれほど強い相手ではありません。そういったなかで、たくさんの選手を試してみたり、新しいコンセプトを試してみたりすることは、チームをつくるうえでとても大切なことで、監督がすべき仕事のひとつといえます」

「ただ、この2試合もそうでしたが、森保監督がどういうゲームプランを選手たちに実行してもらいたいと考えていたかは見えづらいですよね」

「今の日本代表に招集されている選手は、歴代最強と言っても過言ではないでしょう。ですが、AFCアジアカップカタール2023では勝てなかったという奇妙な結果が生じてしまいました。それ故に、ゲームプラン立案のクオリティについては、気になるポイントになっています」

「さまざまな特徴をもつ良質な選手たちを招集できていますが、そんな彼らに何を求めて、どう実行してもらいたいのかというゲームプランが外部からはわかりづらいのが現状だと思います」

 サッカーという競技には、必ず対戦相手が存在する。その相手が強かろうと弱かろうと、相手がいなければ試合は成立しない。だからこそ、どんな相手であろうと、その相手とどう戦うかというゲームプランは必ず考えなければならない。

 そのゲームプランを立案することが監督がすべき仕事のひとつと主張して、解説を加えた。

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