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Jリーグ 6日前

「いったい誰がやるんだ…」小林悠が明かす熱い思い。川崎フロンターレを想うベテランが「力不足」を感じる【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

なぜゴールの枠をとらえられなかったのか。「映像を見返したら…」


「映像を見返したら、たとえゴールの枠のなかに飛んでいても、おそらく相手(大迫)に当たっていたのかな、という場面でした。感覚的にはよかったんですけど、あれは決めたかった」

 ベンチで戦況を見つめていたゴミスとMFゼ・ヒカルド、23分に先制点を決めながら足を痛め、65分に宮城と交代していたFWマルシーニョらが思わず頭を抱えたシーン。それでも小林は下を向かない。

 98分に再びスタンドが沸いた。大島からMF瀬古樹を介して小林にボールが入った直後。塩谷のチェックをトラップでかわし、前を向いた小林がドリブルで広島ゴールに迫っていったからだ。

 右前方にはパワープレーで攻め上がっているDFジェジエウが、そして左前方には塩谷の背後を突く形で宮城が走り込んでいた。はたして、小林はペナルティーエリアの外から、自らがシュートを放つプレーを選択した。しかし、飛び込んできた中野がブロック。直後に引き分けを告げる笛が鳴り響いた。

「ジェジエウの姿は見えたんですけど、自分の方が可能性は高いと思ったので。あの時間帯だったし、自分はフォワードなのでシュートを打った選択は後悔してないけど、でも打つからにはやはり決めなきゃいけなかった。自分が打たなきゃ、自分が決めなきゃという気持ちでしたし、後悔はしていないです」

 脇坂がベンチへ退いた後は、左腕にキャプテンマークを巻いて広島ゴールに迫った小林は、公式記録上ではシュートにカウントされない一撃に「後悔はしていない」と二度繰り返した。だからこそ、ゴールの枠に飛ばせなかった自らを責めた。川崎をけん引してきたベテランの胸中を、宮城もこんな言葉で慮った。

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