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Jリーグ 6日前

「いったい誰がやるんだ…」小林悠が明かす熱い思い。川崎フロンターレを想うベテランが「力不足」を感じる【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

サポーターを沸かせた決定機。小林悠が出した結論


 フリーの状態から満田が放ったシュートは、ブロックに飛び込んだDFジェジエウの足に当たってコースを変えて、ゴールの右隅へと吸い込まれた。しかも62分、65分、82分と交代カードを切っていた川崎には、元フランス代表FWバフェティンビ・ゴミスをピッチへ送り出せない状況も生じていた。

 それでも、ファン・サポーターを総立ちにさせる決定機を作り出した。7という数字が表示された後半アディショナルタイムの94分。右タッチライン際を攻め上がった大南が、グラウンダーのクロスを放った直後だった。

 ややマイナス方向に放たれたクロスの行き先には、小林がフリーで走り込んでくる。下がりながら対応していた中野とキャプテンのDF佐々木翔は小林に反応できない。左サイドでは宮城がフリーランニングを仕掛け、塩谷を引きつけていた。千載一遇のビッグチャンス。小林は右足でのボレーを選択した。

「自分ではうまく(ボールに)当てられたかな、と思ったんですけど…」

 体を左に少しだけ傾かせながら、右足で確実にヒットしたシュートは左ポストの外側を通過していった。なぜゴールの枠をとらえられなかったのか。異能のゴールハンターは答えを見つけるべく、試合後のロッカールームで自らが放った2本目のシュート映像を確認してから、取材エリアに姿を現していた。

 映像には小林のシュートに反応し、コースをしっかりと見極めている大迫の姿が確認できた。短い時間のなかで自らが弾き出した結論を、小林は悔しさをまじえた口調で振り返っている。

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