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Jリーグ 5か月前

「お前、何やねん」京都サンガ中野瑠馬は怒られ、イジられ…。育成プロジェクト大学経由初プロデビューの裏側【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

「ちょっと怒られて」「選ばれたからにはもう他のことは言っていられない」


 湘南戦では最後までスタートの[4−1−2−3]を貫いた。迎えた75分に最初の交代カードが切られる。FW原大智が24分に決めた先制点をアシストしていたFWマルコ・トゥーリオに代わって、アカデミーから昇格して2シーズン目の19歳、FW平賀大空(そら)が投入され、一美と左右を入れ替えた。

 中野は3人目の交代だった。もっとも、たとえ一美の両足がつらなくても、デビューを果たしていたはずだ。前から相手ボールを奪いにいく動きを繰り返しながら、結果として1点を守っていく。タスクを確実に遂行できると信じたからこそ中野を初めてベンチ入りさせ、前節のトラウマが残る時間帯でデビューさせた。

 曺監督が「よくなかった」と振り返った、湘南戦へ向けた前日練習を中野もこう振り返る。

「何ていうんですか…プレーというよりも、メンタル的にネガティブになっていたところを(曺監督から)ちょっと怒られて。今日はそういうものを考える暇もありませんでしたけど」

 だからこそ、遠征メンバーに名を連ねた心境を、身長167cm体重64kgのアタッカーはこう振り返る。

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