「敦樹のキャプテン初陣」「ショルツを超えようと思って…」

“勝つために”、“1点を絞り出すために”高い水準でのプレーを要求し続けるペア・マティアス・ヘグモ監督は「高い強度でボールを奪い返すことと、自分たちが攻撃を仕掛けるときのリスクマネジメントをしっかりして、相手にカウンターのチャンスを与えないということができたと思います」と、チームとして一貫性あるプレーができたことを評価した。

　また、酒井、ショルツがチームを去る中、この一戦で光ったのはそれぞれが放つリーダーシップだった。

「敦樹が（ゲーム）キャプテンとしての初陣というか、チームのためにやるというのは僕も感じましたし、それに呼応して僕もやらなければと思いましたし、今ピッチに出ている選手は若く、一体感は若手が出していかないといけない。全員がリーダーシップをもってやれているんじゃないかと今日は感じました」と佐藤は振り返った。

　試合後には、酒井とショルツのセレモニーが行われた。佐藤は「浦和のセンターバックとして出ている以上、僕が最終ラインをまとめなければいけない」と強い覚悟をにじませる。

「自分は存在感が足りていないと思っている。あの2人は圧で守り、相手が勝手にミスをしてくれることもあって、いるだけで何とかなるのは感じていました。ショルツ選手は僕の持ってないところを持っていた選手で、もう少し一緒にやりたかった」と気持ちを吐露。そして「見本として見ているだけではなくショルツ選手を超えようと思ってここに来たので、見本にしつつ超えるのがベスト。寂しいですけどチャンスだと思ってやるしかないですね」と前を向いた。

　波乱の夏場を迎えた浦和だが、2試合連続無失点での勝利はチームに勢いをもたらすだろう。若い力の台頭がここから上位を目指す中でのキーになることは間違いない。選手たちは自らの可能性や伸びしろを感じているはずだ。

（取材・文：石田達也）