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Jリーグ 6日前

宮本優太にしか出せない色がある。171cm京都サンガCBの変わったルーティーン「調子乗りなので…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

「周りに比べて1番下手」「向き合うパワーが人間を変えていく」



「試合前に自分に緊張感を持たせるために、ずっと嫌なイメージをしている。ルキアン選手にぶち抜かれたり、自分のミスで失点するイメージをしている。僕はちょっと調子乗りな性格なので、わざと自分でそうするようにしている。そうすると試合の入りも慎重になる感じもありつつ、かつ大胆にできる」

 センターバックは1つのミスが失点に直結する。171cmという小柄な宮本がセンターバックに入るならば、一瞬の判断の遅れが命取りになる。そういう意味で考えると、宮本のように少しマイナス思考で臨んだ方がいい場合もある。自分の性格を客観視した上で、大胆さと繊細さのバランスをとっている。

「身長は低いですけど、自分が周りに比べて1番下手だということをまっすぐ出せる選手」

 曺監督は宮本のことをこう表現した。自身より一回り大きいルキアンに食らいつくひたむきな姿は、たしかにチームにエネルギーを与えていた。

「物事に取り込む謙虚さとか、そこに向き合うパワーが人間を変えていく。彼にとってのプロサッカー人生はこれからだと思うので、こういう経験を活かしてまた1つ大きくなってほしいと思います」

 流通経済大学から浦和レッズに加入し、1年目から公式戦22試合に出場。2023年冬にベルギー2部KMSKデインズへ移籍したが、半年で帰国。昨季は浦和で出場機会を得られず、京都へやってきた。浦和で酒井宏樹が立ちはだかったように、京都では福田という強力なライバルがいるが、宮本は真摯に課題に向き合って成長していく。

(取材・文:加藤健一)

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