落ち着きを取り戻したサンフレッチェ広島の修正
だが、この日の広島は序盤から川崎に主導権を握られ、低い位置に押し込まれる展開を余儀なくされた。満田自身も相手右サイドの遠野大弥、ファンウェルメスケルケン際に高い位置を取られ、思うように攻撃の推進力・迫力をもたらせなかった。
その結果、前半23分には川崎に先制点を奪われてしまう。瀬古樹のシュートをGK大迫敬介が防いだものの、マルシーニョに飛び込まれるという不運な形ではあったが、この1点は広島に重くのしかかった。
スキッベ監督が動いたのはこの直後。満田と東のポジションを入れ替え、満田をボランチ、東を左WBに再配置。「今回は中盤のボールロストが多かった。それを減らすために位置を変えた。マコを中盤に置いた方がいつでもボールを受けられるし、クリエイティブなプレーができる」と説明したように、この修正によってチームは落ち着きを取り戻した。
迎えた後半。指揮官はさらなる一手を講じる。18歳のボランチ・中島洋太朗を投入し、松本と組ませ、満田を2シャドーの右に上げるという新たな采配を見せたのだ。
中島は広島OB・中島浩司の息子で昨年のFIFA U-17ワールドカップでは中核を担った逸材。まだJ1では3試合目だが、パスセンスなどは光るものがある。その能力を若武者が発揮したことで、一列前に上がった満田もよりゴールに迫る形が増えていった。