ボローニャでの飛躍。イタリア代表での輝き
【写真:Getty Images】
さらに、U21イタリア代表では、守備的MFで起用され、マルチな才能を見せた。ボローニャのマルコ・ディバイオSD(スポーツディクレター)は、こう評価する。
「サルトーリTD(テクニカルディレクター)が、昨年夏までの2年間、カラフィオーリの動きを追い、獲得に至った。2つのポジションをとても上手くこなしている。守備をしっかりとやりながらも攻撃でも貢献する、まさに、現代DFのプロトタイプと言える」。
23/24シーズン、カラフィオーリの評価はとどまることを知らなかった。チアゴ・モッタ監督に積極起用され、セリエAの30試合に出場。誰も想像し得なかったUEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)出場権の獲得に尽力した。
イタリア代表でも、ルチアーノ・スパレッティ監督に重宝され、6月4日に行われたトルコとのテストマッチで85分から途中出場して、A代表デビューを飾ると、同6日のボスニア・ヘルツェゴビナ戦ではフル出場。ユーロ2024では、3試合にフル出場と大車輪の活躍を見せている。
0-1と点差以上の敗北を喫したスペイン戦後、『ガッゼッタ・デッロ・スポルト』紙は、「スペイン代表として唯一プレーできるイタリア人フィールドプレーヤー」と評し、オウンゴールによる決勝ゴールを献上したにもかかわらず、そのパス能力の高さを称賛した。後方からの組み立てに長け、FWに入れる楔のパスは、寸分の狂いもない。
そして、決勝トーナメント進出を決めたクロアチア代表戦では、値千金の同点弾を突き刺したマッティア・ザッカーニのゴールをお膳立て。最終ラインから、ドリブルで駆け上がり、ダビデ・フラッテージとのワンツーから再びボールを得ると、最後は、ザッカーニにラストパス。これが、アッズーリを決勝トーナメントに導く、値千金のパスとなった。累積警告により決勝トーナメント1回戦のスイス代表戦を欠場するのは、残念でならない。
左SBをこなし、CBも担うことから、あのレジェンド、パオロ・マルディーニを想起させる。ユーロ2024では、初戦のアルバニア戦で、マルディーニに次ぐ若さ、22歳と27日での出場を記録。イタリア代表として、史上2番目の若さでの大会出場となった。当然、19歳と350日でユーロの舞台に立ったマルディーニには、まだ遠く及ばないが、この若者が、イタリアが輩出した数多くの名ディフェンダーのDNAを受け継ぐ期待の星であることは間違いない。
(文:佐藤徳和)
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