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サンフレッチェ広島の攻略法は浸透しつつある。Jリーグで異質、欧州でスタンダードなプレッシングの設計図【戦術分析コラム】

シリーズ:戦術分析コラム text by らいかーると photo by Getty Images

撤退時に起きる問題。自分たちの型と柔軟性


 さらに相手に押し込まれる段階でマンマークは解除され、ボールを奪う守備からゴールを守る守備にフェーズが変更されると、それぞれの意識の統一に時間がかかる傾向にある。また、加藤、大橋のどちらかのみが守備ブロックに加わったり、できる限り【5-2-3】の形を維持したりする傾向を撤退守備ではみせるが、明らかに本職でないセントラルハーフにとって、広いエリアを守り続けることは至難の業になってきている。しかし、“残念そこは大迫”やCBの対人の強さで相手の攻撃を跳ね返しながら、大橋を中心とするカウンターで攻撃を完結させられることもまた事実であった。

 シンプルにロングボールでセンターバックが晒されることよりも、相手の移動とビルドアップ隊の枚数の調整によって、攻略される機会が増えてくることが広島にとっては悪夢と言えるだろう。

 ボール非保持の局面でもあれだけ立ち位置を変化できる3FWなので、セントラルハーフの加勢によって、マークの分担を変化させたり、ウイングバックの加勢によって4トップのようになり、セントラルハーフがライン間を守れるようにしたりと、さらなる柔軟性が求められてくるかもしれない。

 ただし、【5-4-1】になるようでならなかったり、3バック+ウイングバックの位置関係をいじらなかったりする傾向が強いので、自分たちの型とどこまで向き合いながら、自分たちのマンマークをベースとしたハイプレッシングを機能させ続けられるかが鍵になってくるのではないだろうか。

(文:らいかーると)

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【了】

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