複数年契約を結ぶとラツィオ脱出は困難に?
「選手たちが我々を脅迫できると思っていることにうんざりだ。私たちはラツィオを最終目的地とし、クラブに誇りを持っている選手を望んでいる。カマダは1年の契約延長と250万ユーロ(約4億円)のボーナスを要求してきた。私たちを脅迫できると思う者には、災難がふりかかる。金目当ての傭兵であることが明らかになった選手たちは全員追い出し、一からやり直すつもりだ」と憤慨した。そして、日本代表戦を控え、帰国していた鎌田もその1日後、退団を明言した。
鎌田の契約は、脂が乗った27歳では異例の単年契約だった。それをもう1年繰り返してくれという要求は、クラブ側も当然受け入れることは難しいと想像がつく。恐らく、ラツィオは、複数年契約を結び、鎌田の評価が高まったところで、売却するという狙いがあったのかもしれない。
一方、鎌田側は、ラツィオと長期契約を結べば、契約期間中に、さらに価値の高いクラブへの移籍は困難との懸念を抱いていたのだろう。鎌田は、ロティート会長との交渉が不可能だと強調し、高額な契約破棄金を設定されたと述べている。実際、このロティートは、一筋縄ではいかない曲者で、過去にも、多くの選手と対立している。ブラジル人のフランセリーノ・マツザレムや元イタリア代表のクリスティアン・レデスマも、ロティートと契約や移籍を巡り、舌戦を繰り広げている。こういった事実をすでに掌握していたため、単年契約というカードを切った可能性も考えられる。
鎌田の退団は、ラツィオに負のドミノ倒しをもたらした。