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鎌田大地との破局は必然? ラツィオとの長期契約=監獄化の実情。負の連鎖を生み出してきたロティートの手法【コラム】

シリーズ:コラム text by 佐藤徳和 photo by Getty Images

新監督の元でようやく出番を掴んだが…


【写真:Getty Images】



 状況が激変したのは、サッリが辞任し、イゴール・トゥドールが新監督に就任した3月下旬だ。トゥドールは、鎌田に全幅の信頼を寄せ、同30日のユベントス戦から9試合連続で先発出場させ、試合の度に絶賛した。前任のサッリは、自らのスタイルに選手を当てはめていくタイプの指揮官で、鎌田は、サッリの戦術犠牲者となった。

 トゥドールは、鎌田に対して連日、手放しで高く評価した。

「完成された選手。すべての能力が素晴らしいレベルにある」「あらゆるポジションをこなすことができ、決して諦めることがない。彼はコンピューターのようだ。彼のような選手が10人ほしい。全ての監督が彼を必要とするだろう」

 それは、5月31日を持って切れる鎌田の契約を見越して、“ラブコール”を送っているようだった。トゥドールの鎌田への愛の声は、心を動かし、来季のUEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)出場権は獲得できなかったものの、鎌田は、オプションとして契約条項に含まれていた契約更新に近づいていた。

 さらに、シーズン終盤の5月16日、アンジェロ・ファビアーニ・スポーツディレクターが、ラジオ番組のインタビューで「代理人は、100パーセント残ると私に言っている」と発言し、鎌田のラツィオ残留は間違いないものと見られた。イタリア現地紙『イル・メッサッジェーロ』のアルベルト・アッバーテ記者は「3年間の口頭合意で双方が握手した」とまで述べていた。

 ところが、5月下旬を迎えても、契約更新は進展せず。代わって、フランクフルト時代に指導を受けたオリヴァー・グラスナー監督率いるクリスタル・パレス移籍の可能性が浮上し、雲行きが怪しくなってきた。

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