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セリエA 4日前

鎌田大地との破局は必然? ラツィオとの長期契約=監獄化の実情。負の連鎖を生み出してきたロティートの手法【コラム】

シリーズ:コラム text by 佐藤徳和 photo by Getty Images

鎌田大地 最新ニュース

 サッカー日本代表の鎌田大地は、ラツィオでの終盤戦で素晴らしい活躍を見せた。しかし、契約交渉がまとまらず、わずか1年でイタリアの地を去ることが決まった。そんな同選手を含めた主力の0円移籍が相次いでいるラツィオ。クラウディオ・ロティート会長を筆頭に、サポーターがフロントに怒りをぶつけるのも無理はない。(文:佐藤徳和)


ミランにドタキャン。急遽だったラツィオ加入

ラツィオに加入した鎌田大地
【写真:Getty Images】

 鎌田大地のラツィオでの冒険は、1シーズンで終焉を迎えた。日本代表でのFIFAワールドカップ26アジア2次予選の2試合(ミャンマー代表戦とシリア代表戦)を控えた6月3日、自らの口から、ラツィオでプレーし続けることはないと言明し、こうして、5月末までとなっていた契約が更新されないことが決定的となった。

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 昨年夏、フランクフルトを契約満了により退団した鎌田は当初、ミランに移籍することが確実視されていた。しかし、交渉を担当していたレジェンドのパオロ・マルディーニが、テクニカルディレクターの職を解任されたことにより、鎌田の移籍までも消滅。自由契約となっていた鎌田にラツィオが関心を持っていると報じられ始めたのは、同年7月下旬のことだった。夏の風物詩とも言える移籍の噂の一つに終わると思われたラツィオ移籍の報せは、徐々に現実味を帯び始め、8月3日に正式発表の運びとなった。契約は1年間のみで、2年もしくは3年の契約延長のオプションがつくものだった。

 FIFAワールドカップ2022での活躍もあって、鎌田の名は、イタリアにも知られ、評価は高かった。当時のローマの指揮官、ジョゼ・モウリーニョも鎌田の獲得に関心を持っていたほどだ。すぐにチームメイトのハートを掴み、その一人のニコロ・カザーレは「経験豊富なプレーヤーだ。トレーニングを少し見ただけで、重要なプレーヤーだと理解したよ。中盤で、守備もしてくれ、視野も広い。前線に絡むプレーを見て、すぐに気に入ったよ」と絶賛していた。

 セリエAでも開幕節のレッチェ戦から先発出場。3試合目のナポリ戦では、初ゴールを決めた。“魔術師”の異名を取るルイス・アルベルトを唸らせるほどの技ありのシュートだった。誰もが、鎌田の新天地での歩みは順調なもののように思えた。

 だが、マウリツィオ・サッリ監督は、ジャッポネーゼのプレーに不満を抱き、鎌田は次第に出場機会を失っていく。サッリ政権下でのセリエA先発出場は8試合、途中出場が12試合で、出場機会がなかった試合は、9試合にも及んだ。

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