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Jリーグ 5か月前

「五輪だけじゃない」海外挑戦から1年、田中聡が湘南ベルマーレで追い求めるボランチ像「悔しい思いをしていたので」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

「五輪だけじゃない…」田中聡が見据える目標


「あっ、本当ですか…何か無意識のうちに出ていたんですかね」

 U-23日本代表に招集され、パリ五輪切符獲得をかけて臨んだAFC U-23アジアカップに招集されていた間の4試合と、累積警告で出場停止だった1試合を除くリーグ戦の15試合すべてでピッチに立ってきた。アジアカップ直後のサガン鳥栖戦こそ途中出場だったが、残る14試合はいずれも先発フル出場している。

 もっとも、田中本人が自らに矢印を向けながら振り返ったように、アジアカップが開催されたカタールから帰国した後は、前節までの7試合でシュートをわずか4本しか放てていない。

 国際Aマッチデー期間に伴う今月の中断期間中に実施された、U-23日本代表のアメリカ合衆国遠征にも招集されなかった。何よりもアジアカップの出場そのものも、ターンオーバー制で臨んだU-23韓国代表に敗れた、グループステージ最終戦だけにとどまり、残り5試合はリザーブとしてピッチの外から戦況を見つめていた。

 来月3日にはパリ五輪に臨むU-23代表のメンバー発表会見が待っている。マリ、ウクライナ両代表と対戦した3月シリーズにも招集されているものの、アジアカップや6月シリーズ、そしてアピールの場となる所属クラブでのプレーを鑑みながら、田中は「もちろん出たいですけど…」と川崎戦後に言葉を紡いだ。

「現実的には厳しいと思っている。ただ、(サッカー人生は)オリンピックだけじゃない、とも思っている。ここから先、A代表に入っていくとか、また海外挑戦できるようにチームで頑張っていきたい」

 2022年8月にベルギー1部リーグのコルトレイクへ期限付き移籍した。念願の海外移籍に胸を躍らせたものの大きな爪痕を残せず、完全移籍へ移行するオプションも行使されなかった。新天地探しを断念し、昨年6月に湘南へ復帰した田中は、捲土重来を期す思いを込めたリリースのなかでこう綴っている。

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