1位:鹿島アントラーズ
監督:ランコ・ポポヴィッチ
順位:2位
成績:勝ち点37/得失点+11
2016年にリーグ制覇してからはや8年。今季はリーグタイトルに手が届く位置にいる鹿島アントラーズ。前半戦はダイレクトサッカーに加えて保持の局面にもトライしつつ、鈴木優磨を中心に素早い攻撃でゴールに迫った。トランジションが多く発生する戦い方になっているため、プレーエリアが広く、ボールを狩れる知念慶と佐野海舟のダブルボランチが躍動した。その中で疲弊の色は色濃く出ると思っていたが、ここまでそれを感じさせずに前半戦を戦い抜いた。
攻撃を行うときの迫力は鬼気迫るものがあるのだが、守備を行うときの脆さが拭えなかったからこそ、久方ぶりのリーグタイトルを獲得するために必要となりそうなのが『守備局面の向上』だ。特にボランチを動かされたときのバイタルエリアの管理をチームとしてどのように行っていくのかはリーグタイトルを奪還していく上で必須事項だろう。
その問題が最も顕著に現れたのは13節のヴェルディ戦だ。3-0とリードしながら追いつかれてドローに終わったこの一戦。チャンネルランを繰り返されてボランチのチャンネルカバーを強要された結果、バイタルエリアがぽっかりと空いてしまっていた。これはずっと内在している問題であり、知念と佐野のカバーエリアの広さ、そして名古の気の利くプレスバックによってぼかされているのだが、完全に個人に任せきりのものになっている。
それでも耐え切れる試合が多いのはCBの強さがあるからだが、サッカーはどこまでいってもチームスポーツ。個人で守れる範疇には限界がある。だからこそ、鬼気迫る攻撃力を手にしている鹿島が、バイタルエリアをチームとしてカバーしながら、DFラインが晒されることが少なくなると、1-0や2-0で勝つ、堅実で強い鹿島アントラーズが帰ってくるのではないだろうか。チームとしての守備局面の練度の向上がタイトルを勝ち取るために必要となりそうだ。
(文:Nobuya Akazawa|J1全部見るマン)
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