「はるかに遠い」。サッカー日本代表がレバークーゼンやアタランタに近づくには…
新戦術として3バックに挑戦した日本代表は、堂安のいうモダンな3バックにどれほど近づけたのだろうか。ヨーロッパの最前線にも精通するアレックスは「はるかに遠い」と評価を下した。
「シャビ・アロンソ監督がつくり上げたレバークーゼンもそうですが、イタリアでいえばアタランタもそうですし、スペインでもいくつかのクラブが採用しています。このように多くのクラブが3バックのシステムで攻撃の構築を実行していて、それをモダンと表現しているのかもしれません。
日本代表がそれらのクラブと同様のことを実行するとしたら、どのようなコンセプトを立ててどのようなトレーニングを実行するのかが重要です。単純にフォーメーションをまねするだけでは何も変わりません。目標をどこに置き、それに対してどのようなプロセスをたどり、どれだけ明確化できるかが大切だと考えています。
はるかに遠いと評価したのには理由があります。AFCアジアカップカタール2023でもそうでしたが、基本的に日本代表はカウンター攻撃によって失点を喫することが多いチームです。そういったカウンターをどう防ぐかが、守備時の大きな課題となっています。それを踏まえて、今回の3バックはブラジルやアルゼンチンなど世界のトップクラスとの対戦のために準備しているのかがわかりません。そういったトップのチームを相手に最終ラインの3人で守ることを想定しているのかが、評価のポイントになったのです」
このようにミャンマー戦とシリア戦を振り返ったアレックスだが、「いずれも対戦相手との実力差が大きすぎて、参考にはならない」と念押ししている。また、そういった状況のなかでもゲームプランを立てて戦術を考えるものだが、森保監督はゲームプランに対する解像度が低いのではないかと、アレックスは疑問を呈する。
次回はゲームプランについて解説し、現在の日本代表に起こっていることを推察する。
(取材・文:川原宏樹)
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