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「はるかに遠い」サッカー日本代表の3バックをスペイン人指導者が分析。レバークーゼンと何が違うのか?「評価のポイントは…」

シリーズ:スペイン人指導者の視点 text by 川原宏樹 photo by Getty Images

「それを壊すのは困難」アレックスが着目したポイントとは?

板倉滉
【写真:Getty Images】

「中盤の遠藤航や守田英正はスペースの感覚に秀でています。彼らアンカー陣と冨安健洋、板倉滉、町田浩樹らのセンターバック陣はバランスもよく、コミュニケーションも取れているようで堅固に構築できており、それを壊すのは困難だと思います。さらに、前線にも先読みを得意とする選手がいるので、そこから相手の攻撃をつみ取ることもできており、全体的によかったといえるでしょう」
 
 さらにファウル数に着目したアレックスは、その数字が日本代表における守備の成否を評価するひとつの指針になるという。ミャンマー戦では日本代表のファウル数が13(うちオフサイドは1)でミャンマーが4(オフサイドは0)だった。一方のシリア戦は日本代表が17(オフサイドは1)でシリアが12(オフサイドは1)。両試合ともボール保持率の高かった日本代表のほうが多かった。それが「守備をアグレッシブに実行できていた」証拠と論じている。

「この2試合では日本のほうがファウル数が多かった。それは守備をアグレッシブに実行できていて、質の高い選手がそろう現状のセンターバック陣であれば、うまくできるシチュエーションでした。ただ大切なのは、現在の日本代表が目指しているのは最終ラインを下げてブロックを固める守備ではなく、前線からの積極的なプレッシングを行う守備ということです。だからこそ、遠藤や守田を中心とする中盤のポジショニングが重要になります。彼らのプレーの質や最終ラインとの距離などがポイントになりますし、サイドの選手のスペースの埋め方などもポイントになります。それらのポイントを踏まえても、今回はうまくできていたといえるでしょう」

 今回、日本代表が採用した3バックのシステムを堂安は「モダンなサッカー」と表現した。それは今季のブンデスリーガで史上初の無敗優勝を達成したレバークーゼンを強くイメージした発言だったことがうかがえる。

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