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「はるかに遠い」サッカー日本代表の3バックをスペイン人指導者が分析。レバークーゼンと何が違うのか?「評価のポイントは…」

シリーズ:スペイン人指導者の視点 text by 川原宏樹 photo by Getty Images

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 サッカー日本代表は6月に行われたFIFAワールドカップ・アジア2次予選ラスト2試合に連勝し、最終予選に向けて弾みをつけた。欧州最高位の指導者ライセンスを持つアレックス・ラレア氏は、日本代表がこの2試合で導入した3バックの布陣をどう見たのか。(取材・文:川原宏樹)


【プロフィール】アレックス・ラレア

プロ選手としてカナダでプレーした後、指導者の道に進み、欧州最高位の指導者ライセンスUEFA PROを取得する。2020年からは元スペイン代表、元ヴィッセル神戸のダビド・ビジャが主宰するサッカースクール『DV7サッカーアカデミー』日本支部のディレクター・コーチを務める。

ダビド・ビジャとアレックス・ラレア
【写真:川原宏樹】

3バックを採用したサッカー日本代表の出来

 3月に予定されていた北朝鮮戦が不戦勝となって、すでにFIFAワールドカップ・アジア2次予選の突破を決めていた日本代表にとってミャンマー戦とシリア戦は実質的に消化試合となっていた。そこで森保一監督はアジア最終予選に向けた準備の貴重な機会ととらえ、新戦術を試して選手のモチベーションを上げた。

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 試合開始から3バックのシステムを導入する新たな戦術について、UEFA-PROライセンスを持つアレックス・ラレア氏の分析を聞いてみた。

 試合開始から最終ラインを3人にするシステムを導入したのは、一昨年に行われたFIFAワールドカップカタール2022以来のことになるが、そのときは相手にボールを保持させる守備的な戦術として採用された。しかし、今回は同じ3バックでも攻撃的なもので、アレックスも「よくできていた」と評価している。

「今回の2試合では相手との実力差はあったものの、日本代表は攻撃的なサッカーが実行できることを証明しました。サイドに位置した菅原由勢と中村敬斗が幅をつくり、おおむね適切にボールを運べていたと思います。シリア戦では右サイドに堂安律が起用されましたが、インサイドに位置した久保建英や南野拓実との連係もこれまでどおりうまくできていて、総じて出来はよかったと見ています」

 2試合とも相手との実力格差が大きく評価できるほどの機会は少なかったものの、続けて守備面での評価をまとめてくれた。

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