まるでハリー・ケイン。大橋祐紀の「強みはより前にある」
この試合で彼が深く下がって試合に関わり、試合を指揮したやり方は、トッテナム・ホットスパーで活躍していたハリー・ケインがかつて行っていたやり方を彷彿とさせる。また、この試合唯一のゴールをアシストしただけでなく、大橋は10.64kmを走り、ゴールに3回シュートし、チームメイトに3回のチャンスを作り、さらに91分間の出場で4回のタックルも行った。
試合中は中心的な役割を果たすことを決意していたにもかかわらず、この27歳の選手は試合後に称賛を受けることにあまり乗り気ではなかった。
「今日に関しては後ろの3バック、塩(塩谷)君、(佐々木)翔くん、中野(修斗)、(大迫)敬介の3人の粘り強さのおかげです」
「中2日だったので、コンディション的にはハードでしたし、難しい試合でした。後ろが中心となって守ってくれましたんで、水曜日は2-3で負けましたが、いい意味でチームとして(その悔しさを)払拭することができたので、次につながると思います」
元湘南ベルマーレFWは、ボールを回収する意気込みについて尋ねられると、最終ラインでいつもの相棒である加藤がより深い位置で試合を開始したという事実に言及した。
「今日は陸次樹が中盤に入って、いつものメンバーが全員揃っていなかったので、自分はいつもより下がってプレーしました。でも、自分の強みはより前にあるので、より頻繁に前線に入るようにしなければなりません」
サンフレッチェが首位のペースメーカーに追いつくためには、中盤の問題を早急に解決する必要が間違いなくある。チームを去る川村拓夢や野津田岳人の代わりを加藤のような選手に任せるのは、長くは続かない。しかし、中盤の強化ができれば、他の部門でも間違いなくどのチームとも互角以上に戦えるだけの実力があることが証明されたことになる。
特に前線では、大橋がチームのキーマンとしての地位を着実に確立しつつある。彼が現在のレベルを維持できれば、サンフレッチェはシーズン終了まで優勝争いに身を置く可能性が十分にある。
そして、もしサンフレッチェが首位でフィニッシュすることができれば、大橋は優勝メダルに加えて個人タイトルも獲得できるだろう。
(取材・文:ショーン・キャロル)