GK:フロリン・ニツァ(ルーマニア代表)
【写真:Getty Images】
生年月日:1987年7月3日
2023/24所属クラブ:ガズィアンテプ(トルコ)
今大会成績:2試合2失点
ルーマニア代表は今大会のダークホースとして期待されている。デニス・マン(パルマ)やラドゥ・ドラグシン(トッテナム)ら20代の選手とニコラエ・スタンチュ(ダマク)ら30代の選手が上手く融合しており、完成度の高いチームに仕上がっている。
そんなチームの最後の壁となっているのが7月に37歳となる大ベテランGKフロリン・ニツァだ。長らくチェコの名門スパルタ・プラハで正GKを務めていた彼は、昨夏にトルコのガズィアンテプへと移籍。加入してからはリーグ戦で全試合出場を果たし、彼らの目標だった残留に大きく貢献した。
ルーマニア代表では2021年に年間最優秀選手に輝くなど正GKを掴んでいた時期もあったが、今大会に向けての予選ではホラチウ・モルドヴァンが正GKを務め、ニツァは出場ゼロと控えに降格していた。しかし、同選手が今冬にアトレティコ・マドリードに移籍すると、新天地で1試合も出番を得られず、試合勘が考慮されてこの大ベテランの序列が上がった。
迎えたウクライナ代表との初戦で3つのシュートすべてを止めると、続くベルギー代表との試合でも躍動。開始直後にユーリ・ティーレマンスに先制点を決められてしまったが、その後は壁のように立ちはだかり、中でも18分のドディ・ルケバキオのシュートを止めたシーンは見事だった。スター軍団相手に7セーブを記録し、一躍その名が世界へと轟いた。
ニツァとガズィアンテプの契約は今季終了までであり、契約延長オファーが届かない限りは退団となるだろう。仮にフリーになるとなれば、隠れた移籍市場での注目株になるかもしれない。