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Jリーグ 3か月前

「浦和レッズで1番うまい」。武田英寿は何が凄いのか。「全員が口を揃えて」GK西川周作から見た若武者の台頭【コラム】

シリーズ:コラム text by 石田達也 photo by Getty Images

武田英寿は「1番うまい」。同僚が口を揃えて称賛する武器とは



 西川は「後ろがしっかりしてボールを回収できて、そこから攻撃ができたと思います。サイドの裏のスペースを狙っていた部分もあったので、1点目もそこから素晴らしいボールが出て決め切れたことはチームとして修正できたこと」と力を込めた。

 そして終盤の90+2分、浦和は武田が左サイドからのフリーキックで直接、ゴールを狙う。通常であればクロスを送る位置でもあったことで相手キーパーの意表を突く。背番号47は大きく助走を取り左足を振り上げニアを狙うとゴール手前でワンバウンドさせゴールネットを揺らした。

 チームを敗戦から救った武田は、次のような言葉を残した。

「自信はありました。決められると思いましたが、あとはキーパーがどれだけクロスを狙っているかとか、そこは強いボールを蹴ろうと思ったので、駆け引きというか、最後まで見ることはせずに、決めたらラッキー、読まれたら最悪という考えで狙いました」

 開幕してからも中々、メンバー入りもできず、紅白戦にも入ることができない日々もあった。苦しい時期を過ごしていたプロ5年目の武田は巡ってきたチャンスをモノにし、この試合で2得点をマーク。前節のセレッソ大阪では初アシストを残したが、この日のゴールは特別なものになったはずだ。

 試合後のミックスゾーンで多くのメディアに囲まれる武田を横目に見ながら西川は「浦和の中では、彼が一番シュートが上手いと思っていて、キーパーチームの全員が口を揃えて武田だと言っています」と話す。そして「(自主トレ時には)彼のシュートを止めるのが本当に難しい。ペナ外からのシュートは彼の良さで素晴らしい。何と言っても、今日、自分で決めたことが素晴らしいこと」と、若武者の活躍を褒め称えた。

 これでチームは、今シーズンの前半戦を7勝5分7敗で折り返した。若武者の台頭がチームの起爆剤になるのか。負けられない戦いが続く、浦和の後半戦に注目したい。

(取材・文:石田達也)

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