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Jリーグ 3か月前

「浦和レッズで1番うまい」。武田英寿は何が凄いのか。「全員が口を揃えて」GK西川周作から見た若武者の台頭【コラム】

シリーズ:コラム text by 石田達也 photo by Getty Images

前半は「うまくいきませんでした」。なぜ浦和レッズは苦しんだのか



 ホームチームの反撃は13分、オラ・ソルバッケンが左サイドに振ると、攻め上がった渡邊凌磨が相手を交わして右足を振る。しかし、これは早川友基にセーブされてしまう。

 この後もホームチームは攻め手を欠きながら、カウンター攻撃を受ける形が続くと、42分、再び鈴木にゴールを奪われる。右サイドの師岡のクロスをディフェンダーがクリアするが安西幸輝がペナルティーエリア内の中央に戻すと、鈴木が右足で蹴り込み、0-2でハーフタイムを迎えた。

 シュート数の3対7から分かる通り前半は鹿島優勢だった。特に1トップながら中盤に下りてゲームを作る鈴木優磨に浦和は手を焼いた。

 ヘグモ監督は「プレスがうまくいきませんでした。またビルドアップの時に中盤でボールを回せませんでした。前半は鈴木(優磨)選手が支配したと思います。彼の素晴らしいFWぶりを見せられました。彼が前半に違いを生んでいた選手でした」と語ると、最後尾からチームを見ていた西川も「鈴木選手に対してタイトにいけなかったことが1つ。鹿島と言えば鈴木選手が絡んでの展開力は素晴らしいものがある。敵ながら本当に良い選手だと感じました。そこを潰せている時はチャンスを作らせていないし、誰が捕まえ、誰がいくかで迷いがあったと思います」とコメントする。

 後半に入ると浦和は中盤を2ボランチにし、4-4-1-1の布陣に変更。ボールを動かし、スペースを作るなど一気に流れを変え、前半とは対照的な展開となる。運動量が目減りし、浦和のポジションチェンジに後手を踏んだ鹿島は、ダイナミックに背後を狙われたことでコンパクトさも保つことができなくなっていた。

 ヘグモ監督が次々と攻撃の交代カードを切るなか、76分に投入された武田英寿が大仕事をやってのける。77分、背後に抜け出した伊藤敦樹の折り返しに飛び込んで左足でゴールネットに突き刺し、浦和は1点差に詰め寄る。

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