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Jリーグ 1週間前

水沼宏太の助言、天野純の工夫、喜田拓也の声。横浜F・マリノスの逆転勝利、ピッチで何が起きていたのか【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

「監督も僕たち選手と一緒に成長していきたいという考えをもっている」


「町田戦から少し修正したというか、もうちょっとフレキシブルに動いていい、というところもあったので、自分も少し下がるなど工夫しながらプレーしていました。シャドーの選手の場合、いままでは相手の2ボランチの後ろでボールを引き出す動きが求められてきましたけど、監督も僕たち選手と一緒に成長していきたい、という考えをもっているし、その部分で選手の考えをしっかりと聞いてくれるので」

 町田戦で先制ゴールを決めていた宮市は、今シーズンのターニングポイントになると前を向いた。

「いままでも負けて悔しい思いをしてきたなかで、この勝利は今後へ向けて必ず僕たちの自信になってくるし、さらに前へ加速させてくれる。これからも一喜一憂せずに、愚直にプレーし続けていきたい」

 そして状況によってはアンカーから最終ラインに落ちて、FWピエロス・ソティリウの背後から飛び出してくる大橋、決めた加藤陸次樹をケア。守備を安定させた喜田は「これを次につなげないと」と前を見すえる。

「少し変則な形にはなりましたけど、大事なのは相手が嫌がるかどうかかであり、そうしてからは明らかに守備がはまっていた。ハーフタイムにも確認しながら意図は共有していた。そうした決断を外から指示されるまで待つのではなく、ピッチのなかで、自分が中心になってやっていかないといけない」

 キューウェル監督を含めた全員が共有していたのは、もう負けは許されない、という意地とプライド。横浜の夜空にとどろかせた咆哮は、劇的な勝利から中3日で待つ北海道コンサドーレ札幌戦、さらに中2日で続くアビスパ福岡戦と、長距離移動を伴う敵地での連戦へ臨むマリノスを心身両面で駆り立てていく。

(取材・文:藤江直人)

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