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谷晃生はFC町田ゼルビアのピンチをチャンスに変える。「そういうのも含めて観察ですね」リーグ最高スタッツを生む準備の極意

text by 編集部 photo by Getty Images

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谷晃生
【写真:Getty Images】


首位を走るFC町田ゼルビアの守護神

 FC町田ゼルビアは22日、ホームの町田GIONスタジアムにアビスパ福岡を迎える。町田はリーグ3位の16失点、福岡は同4位の17失点と、強固なディフェンスを武器とするチーム同士の対決になる。1点が勝敗を左右する可能性が高くなると考えられるこの一戦では、GK谷晃生の活躍に注目したい。

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 FCVデンデルEH(ベルギー)への約半年間の期限付き移籍を経て、今季は町田でプレーすることとなった谷は、出場停止となった1試合を除くリーグ戦全試合に出場している。首位で前半戦を終えようとしている町田の守護神として、チームの窮地を何度も救う活躍を見せている。

 際立っているのがクロスボールへの対応だ。今季のクロスキャッチ率はリーグトップの44.8%。正GKといえるGKの中では谷に次ぐ数字を残したのが村上昌謙の30.6%なので、いかにこの数字が高いかが分かるだろう。

「基本的に捕りに行くって感じです。まず(クロスが)上がったら出る」

 確かに谷の一歩目は早い。クロスが蹴られた瞬間か、もしくはそれより一瞬早く一歩目が出ているように見える。当然、そのためには準備が必要で、あらゆる情報をインプットして判断している。谷は「そういうのも含めて、観察ですね」と言い、「いかに早く判断できるか」が勝負だと言う。

 前節のマリノス戦のセットプレーのシーンで言えば、上島拓巳やアンデルソン・ロペスといった空中戦に強い選手がどこにいるのかをあらかじめ把握する。さらに、キッカーがアウトスイングかインスイングかによって、ポジションも判断も変わってくる。FKやクロスであれば、直接ゴールを狙う可能性もある。そのときはボールホルダーやキッカーの助走を観察し、シュートかクロスかを予測しながら素早く一歩目を出している。

 なお、クロスパンチング率はリーグ18位の9.4%。他のGKが弾くようなボールも捕っていることが数字からも分かる。ロングパス成功率46.9%もGKとしては高水準で、谷のフィードは攻撃の起点にもなっている。

 GKが弾けばゴール前の守備が続く可能性もあるが、キャッチすれば自チームの攻撃へと変わる。谷の武器は町田のピンチをチャンスに変える。

(取材・文:加藤健一)

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【了】

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