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Jリーグ 5か月前

横浜F・マリノス吉尾海夏に届いた「返信拒否」のLINE。24戦出場ゼロ、練習でCB…耐えて得た初出場【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤井雅彦 photo by Getty Images

トリコロールのユニフォームを着続けるために



 ようやく訪れたチャンスに、最後の見せ場と意気込むのは当然のこと。ここでアピールできるか、否か。トリコロールのユニフォームを着続けるためには、自らの存在意義を証明しなければならない。ある意味でプロサッカー選手における原点に立ち返り、この一戦に臨んでいた。

 下位カテゴリーの相手に延長戦に突入し、最後はPK戦までもつれ込んだ。辛くも手にした勝利という形容がおそらく正しい。吉尾は自身のパフォーマンスを客観的に評価し、できたこと、できなかったことを冷静に分析していた。

「こういう難しいゲーム展開の中でも自分がチームを勝たせるような選手にならないといけないし、目に見える結果が欲しかった。でも自分もやれるんだぞというところを多少は見せられたかなと思う」

 チーム事情で左ウイングを務めたが、今後もこの位置で定位置を争っていく可能性はおそらく低い。岐阜戦では途中出場の井上健太が今季初ゴールと結果を残し、つづくJリーグ第18節・FC町田ゼルビア戦では宮市亮が、こちらも今季初ゴールを叩き出した。そしてこのポジションにはエウベルというリーグ屈指のウインガーが鎮座し、もうすぐ負傷から復帰する。

 自らの居場所を確保する戦いはこれからも続く。天皇杯2回戦を勝ち上がり、横浜F・マリノスは中2~3日での10連戦を戦っている。昨季終盤のように左サイドバックとして緊急出場するかもしれない。夏の移籍ウインドーが近づき、異なる選択肢が生まれる可能性もある。

 いつ、どんな形で訪れるか分からない次のチャンスを今度こそモノにするために、とにかく全力でトレーニングに励んでコンディションを保つしかない。

 背番号25の戦いはこれからも続いていく。

(取材・文:藤井雅彦)

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