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海外サッカー 5か月前

なぜ岡崎慎司は欧州で指導者の道を歩むのか? 「その悔しさは自分しか知らない」。新たな挑戦の最終目標とは…【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

「記憶に残っているのは悔しさだけ」「次の人生を見つけられた喜び」


 メダル獲得を掲げた2008年の北京五輪は、グループステージを3戦全敗で終えた。プレミアリーグでの2桁ゴールも、ビッグクラブへの移籍も達成できなかった。セリエAのクラブに移籍して、ブンデスリーガ1部、プレミアリーグ、ラ・リーガ1部に続くヨーロッパの4大リーグ制覇もかなわなかった。

 現役を続ける上での節目として掲げてきた40歳にも、まだ2年もの時間を残している。清水エスパルス時代の2010年南アフリカ大会を皮切りに、FSVマインツ05時代の2014年ブラジル大会、レスター・シティ時代の2018年ロシア大会と、優勝を掲げて3度のFIFAワールドカップに挑んだが、最高位は2度のベスト16だった。

 それでも、上下黒のスーツ姿の岡崎は、ひな壇で終始すがすがしい表情を浮かべ続けた。

「記憶に残っているのは悔しさだけだけど、それでも自分が歩んできた道に対しての後悔はないし、むしろ間違いではなかったと思っている。そのなかでこれから先を、の次の人生を見つけられた喜びもあるので」

 引退会見が行われた同じ日に、ドイツ6部リーグのバサラ・マインツが岡崎の監督就任を発表した。同時進行で岡崎はヨーロッパサッカー連盟(UEFA)が発行するUEFAプロライセンスの取得を目指し、16日に帰国する直前まで、イギリスに滞在してUEFA Bライセンス取得への第一歩となる講習会に参加していた。

 それでも岡崎は「もし将来的に監督をするならば、やはり日本で、とずっと考えていた」と明かす。一転してヨーロッパで指導者の道を歩み始めるのはなぜなのか。岡崎は「すごく単純な理由だし、単純にかっこつけたいだけかもしれないですけど」と、屈託のない笑顔を浮かべながら言葉を紡いだ。

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