「あれが試合を決めた…」圧倒的劣勢の状況でも諦めなかったエース
しかしながら、後半に入ると横浜は一気にギアを上げ、猛攻を仕掛けてきた。そして後半7分にはGKポープ・ウィリアムのロングボールをヤン・マテウスが縦に展開。最近調子を上げてきた天野が一気に前線へ持ち込んだ。これを満田がペナルティエリア前で阻止したかと思われたが、池内明彦主審は2枚目の警告でレッドカードを提示。広島は10人での戦いを強いられることになってしまったのである。
スロー再生で見るとかなり微妙な判定。スキッベ監督が「池内さん、レッドのシーン、おめでとうございます。あれが試合を決めたと思います」と試合後の記者会見で皮肉たっぷりに言いたくなるのも理解できる。ただ、サッカーは主審の判定が絶対だ。これで彼らが苦境に追い込まれたのは紛れもない事実。指揮官はピエロス・ソティリウと志知を下げ、松本大弥と越道草太を投入。運動量を上げて守れる組織力を構築しようとした。
それが奏功し、粘り強く守っていた広島。そんな彼らに貴重な得点が転がり込む。後半32分、横浜の渡邊泰基のスローインが大橋に渡るとそのまま一目散にゴール前へ突き進み、2点目を突き刺したのだ。圧倒的劣勢の中、希望の光となるゴールが生まれ、広島に勝利が転がり込むかと思われた。