頼れるキャプテン不在の影響
その後も広島がやや押し込む展開が続いたが、横浜が徐々に修正。27分にヤン・マテウスの傑出した個の力で強引に同点弾をもぎ取る。このシーンは右サイドバック(SB)松原健の縦パスを受けたヤン・マテウスがまず志知をかわし、カバーに来た東と満田を天野純とのワンツーで剥がしてペナルティエリア内で左足を振り抜くという豪快弾。佐々木不在の広島左サイドがいつもと微妙に違うことを念頭に置いたブラジル人FWの頭脳的突破だったのだろう。
さらに前半終了間際の42分。横浜は決定的なチャンスを迎える。渡辺皓太のスルーパスがヤン・マテウスに通り、中央から飛び出してきたアンデルソン・ロペスにフリーでボールが渡った。これは広島にとって致命的なシーンだったが、最後のシュートを勇敢に防いだのが大迫。さすがは代表GKという鋭い反応を見せ、ピンチを阻止。前半を1−1で終えることに成功したのだ。
シュート数の7対5という数字を見ても分かる通り、広島優勢の45分間だったと言っていい。彼らとしてはここからいかにしてギアを上げ、白星をもぎ取るかが肝心。それが大迫の堅守に報いることにもつながるはずだった。