12位:セルビア代表
【写真:Getty Images】
監督:ドラガン・ストイコビッチ(4年目)
戦力値:78(攻撃力21、守備力18、選手層21、勝負強さ18)
今大会に出場するチームの中で最も日本人に馴染み深いのはセルビア代表かもしれない。指揮官のドラガン・ストイコビッチは名古屋グランパスの選手として7年間、監督としては6年間同チームの指揮を執った。名古屋グランパスの監督時代からストイコビッチの右腕を務めている喜熨斗勝史氏もコーチとして入閣しており、日本人として初めてユーロ(欧州選手権)を戦っている。
セルビア代表の最大の強みは「攻撃力」だ。今季アル・ヒラルにて公式戦45試合で40ゴール決めたアレクサンダル・ミトロビッチとユベントスにて39試合で18ゴールを決めたドゥシャン・ヴラホビッチの2トップは破壊力抜群。ドゥシャン・タディッチ(アヤックス)やフィリップ・コスティッチ(ユベントス)、セルゲイ・ミリンコビッチ=サビッチ(アル・ヒラル)、ラザール・サマルジッチ(ウディネーゼ)ら、彼らにボールを届ける選手たちのクオリティも高い。
一方の「守備」には課題を残しており、2022年のカタールW杯でも露呈したように横の揺さぶりに弱い。ニコラ・ミレンコビッチ(フィオレンティーナ)やストラヒニャ・パヴロビッチらCBにタレントこそいるが、両ウイングバックに攻撃的な選手を置くために彼らが守備の穴になることも。イングランド代表との初戦ではコスティッチがブカヨ・サカを全く止めることができず、そこから決勝点を許した。
ストイコビッチ監督が狙うのは、W杯を含めた国際大会で同国史上初となる決勝トーナメント進出だ。セルビア代表にとって独立してから今大会が初のユーロ(欧州選手権)であり、現在のチームはカタールW杯の時と比較しても怪我人が少なくベストな陣容で戦えている。35歳の主将タディッチをスーパーサブとして計算できるほどの「選手層」が現チームにはあり、この目標も十分に達成できる可能性があるだろう。