17位:ルーマニア代表
【写真:Getty Images】
監督:エドワード・ヨルダネスク(3年目)
戦力値:71(攻撃力17、守備力18、選手層16、勝負強さ20)
現在ルーマニア代表を率いるエドワード・ヨルダネスクは、同国代表の監督を3度も務めたアンゲル・ヨルダネスクを父に持つサラブレッドだ。彼は父親から引き継ぐように完成度の高いチームを作り上げており、今大会に向けての予選ではスイスやイスラエルとの同組を6勝4分の無敗で首位通過。そのうち6試合で無失点と堅守が強みである。
チームの市場価値は出場国で最も低いが、国際的な知名度が高くないだけで、実力は折り紙つきだ。というのも、5年前に行われたU-21欧州選手権でルーマニア代表はイングランド代表、フランス代表、クロアチア代表と同じグループに入り、この「死の組」を2勝1分で首位通過。この「黄金世代」とも言える年代の選手が現在のA代表の中心であり、彼らとニコラエ・スタンチュ(アル・アハリ)のような経験豊富な選手たちと上手く噛み合わさっている。
攻撃の中心となっているのがデニス・マン(パルマ)だ。彼も例のようにU-21欧州選手権で活躍したメンバーの1人で、切れ味鋭いドリブルからのチャンスメイクに定評がある。ウクライナ代表との初戦でもキレキレで、3つのゴールすべてに絡んでみせた(アシストは2)。
守備時は「4-6-1」の堅いブロックを敷いており、その中で広い守備範囲と対人に強いラドゥ・ドラグシン(トッテナム)の活躍が目立っている。彼がルーマニア代表のスタメンに定着してから負けたのはコロンビア代表との親善試合だけで、14試合のうち9試合で無失点を達成している。チームとして整備された守備に彼のような無理が効くタイプのストッパーが入ることでより強固なディフェンスが完成した。
ウクライナ代表との初戦を制したことでグループリーグ突破の可能性が高まっており、第2節では強豪ベルギー代表と対戦する。チームの完成度でいえば、ルーマニア代表の方が圧倒的に高く、強豪相手に金星を挙げても不思議ではない。