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Jリーグ 5か月前

天野純の身体に変化あり。なぜ横浜F・マリノスMFは「軽量級でも当たりに強い」のか?33歳目前で「まだまだ成長」【コラム】

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

33歳の天野純は「まだまだ成長していかないといけない」



 強さを見せたプレーの1つが、14分の場面だ。ペナルティーアーク付近で永戸勝也のクリア気味のパスを受けた天野は、後ろから身体を入れてきた満田にボールを触れさせずにファウルを獲得した。

 地上戦では13戦9勝、空中戦では3戦全勝。強度の高い広島を相手にしても、天野のデュエルの強さが際立っていた。タックル数もチーム最多の4回で、攻守両面で素晴らしいパフォーマンスを見せていたことが分かる。

 AFCチャンピオンズリーグ決勝でのショッキングな敗退を経験したチームは、インターナショナルマッチウィークを挟んでリーグ戦連敗を喫していただけに、広島戦の勝利が持つ価値は大きい。1試合未消化ながら、昨季2位のチームはボトムハーフの12位に沈む。今季から指揮を執るハリー・キューウェル監督の下で順位を上げていくには、勝ち続けるしか方法は残されていない。

「監督もやっぱり選手と一緒に成長していきたいという考えを持っていますし、選手の考えもしっかり聞いてくれている」

 そう話す天野は、「まだまだ成長していかないといけない部分があるので頑張ります」と言う。1ケ月後には33歳となるが、これからもマリノスに必要な存在であり続けるだろう。

 天野の変化に目を細める河口氏は、「ここまでは元々持っているポテンシャル」と天野の努力を称えると同時に「ここから、天野選手が経験したことのない世界まで引っ張り上げるのがクアトロコアの使命だと思っています」と話す。クアトロコアという頼もしい武器を手に入れた天野は、これからどのような活躍を見せてくれるのだろうか。

(取材・文:加藤健一)

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