6位:スペイン代表
監督:ルイス・デ・ラ・フエンテ(2年目)
戦力値:86(攻撃力23、守備力21、選手層22、勝負強さ20)
2008年と2012年のユーロ(欧州選手権)を連覇したスペイン代表だが、近年は国際大会で結果を出すことに苦戦している。W杯は2大会続けてベスト16止まりで、ユーロも前回大会こそベスト4に進出したが、グループリーグでは2試合で引き分けと圧倒的な強さを誇ったわけではない。
フットボールにおけるトレンドの変化に伴いスペイン代表も戦い方のスタイルを変えており、現在のチームは「トランジション」に重きを置いている。ボールを奪ってからは速攻を繰り出し、セカンドボールへの反応も早い。
このようなチームで強みになるのが「攻撃力」だ。ストライカーに目を向けると、アルバロ・モラタ(アトレティコ・マドリード)とホセル(レアル・マドリード)、ミケル・オヤルサバル(レアル・ソシエダ)と、元代表のダビド・ビジャやフェルナンド・トーレスのような各国リーグで得点王争いを演じることができるタレントはいないが、ウイングの火力は過去最高レベルだ。
特にラミン・ヤマル(バルセロナ)とニコ・ウィリアムズ(アスレティック・ビルバオ)の両名は相手DFに対して個人で優位性を出せる選手たちで、ボールを奪ってから素早く彼らにボールが渡れば高い確率でチャンスが生まれる。左SBにボール奪取能力に秀でているマルク・ククレジャ(チェルシー)を置いているのは、よりトランジションを生み出すための作戦だろう。
一方の「守備力」にはやや不安を残している。特にCBにはカウンターを受けた場面で無理が効くタイプの選手がおらず、守備陣の軸として計算されているアイメリク・ラポルト(アル・ナスル)は怪我のため開幕に間に合っていない。今季のラ・リーガでサモラ賞を受賞したGKのウナイ・シモン(アスレティック・ビルバオ)のビッグセーブ頼みになる展開が訪れても不思議ではない。
「選手層」も比較的厚い方だが、ルイス・デ・ラ・フエンテ監督の人選には疑問が投げかけられている。今季プレミアリーグで絶好調だったパウ・トーレス(アストン・ヴィラ)とペドロ・ポロ(トッテナム)が外れ、パウ・クバルシ(バルセロナ)やマルコス・ジョレンテ(アトレティコ・マドリード)らも選外に。現状では彼らの不在の影響は感じさせないが、仮にその流れになった際は指揮官が大きな批判にさらされても不思議ではない。
最大の懸念は「20」とした「勝負強さ」である。スペイン代表は2018年のロシアW杯、2021年のユーロ、2022年のカタールW杯と、連続して3つの大きな国際大会でPK戦の末に敗れている。この不吉なデータが選手たちのプレッシャーとならなければよいが…。