7位:オランダ代表
監督:ロナルド・クーマン(2年目)
戦力値:85(攻撃力20、守備力24、選手層21、勝負強さ20)
近年のオランダ代表は国際大会で苦戦している。2016年のユーロ(欧州選手権)と2018年のロシアW杯を連続して出場できず、それ以降の大会でも最高成績は2022年のカタールW杯のベスト8と、かつてはベスト4以上に入ることが当たり前だった同国代表にとっては厳しい期間が続いている。
このオランダ代表の最大の強みは「守備力」だ。主将のフィルジル・ファン・ダイク(リバプール)を筆頭にナタン・アケ(マンチェスター・シティ)、ステファン・デ・フライ(インテル)、マタイス・デ・リフト(バイエルン・ミュンヘン)、ミッキー・ファン・デ・フェン(トッテナム)、ダレイ・ブリント(ジローナ)と、CBの選手層に関しては間違いなく世界トップだろう。
「攻撃力」も近年の中では高い方で、コーディ・ガクポ(リバプール)やシャビ・シモンズ(ライプツィヒ)、ジェレミー・フリンポン(レバークーゼン)ら新進気鋭の若い選手たちの台頭が目立つ。ただ、純正ストライカーが少ないのは悩みの種で、今大会で背番号9を背負うボウト・ベグホルスト(ホッフェンハイム)にかかる負担は大きい。
指揮官を最も悩ませているのが相次ぐ怪我人だ。開幕直前に怪我のために離脱したフレンキー・デ・ヨング(バルセロナ)とトゥーン・コープマイネルス(アタランタ)を筆頭に、マッツ・ウィーファーやクイリンシー・ハートマン(以上フェイエノールト)、ユリエン・ティンバー(アーセナル)らが怪我や負傷明けのため選外に。追加招集組が代表通算0試合の時点で人選に苦しいのは明らかで、「選手層」は他の強豪国と比較すると「21」とやや低めにした。
ポーランド代表との初戦で露呈したようにクーマン監督の手腕にも疑問符がつき、特に前半は速攻以外の攻撃パターンがなかった。こうした展開であれば、中盤で何でもできるフレンキー・デ・ヨングを起用したいところだが彼はいない。オランダ王者PSVのセットであるイェルディ・スハウテンとヨエイ・フェールマンが試合をコントロールできるかどうかが、今大会の成績に直結するかもしれない。